虚構推理/ドロヘドロ/イド/映像研/バビロン

●虚構推理・2話。前回あまり無かった「虚構」と「推理」分がたっぷりの話。なるほどこういう方向性の作品なのね、ってのが判りやすく提示されててよろしい。我が池に放り込まれた死体を巡ってなんかやたらと細かいことを気にする蛇神様と、次々とそれらしい筋書きを提示してまるめこんでゆく琴子さんの対比が妙に面白い。というか琴子さん役の鬼頭明里さんが出ずっぱりの喋りっぱなしで30分枠で、よう頑張ったはんなあと感心したりした。あと琴子さんの依頼と豚汁とで豚汁の方を選択したカレシ、という構図がなかなかかわいそう。豚汁NTR…いや寝てないけど。

ドロヘドロ・2話。カイマンの爬虫類顔をキーとして、ホールの二人と魔法使たちが紆余曲折しつつ近づいてゆく流れ。相変わらず混沌とした話運びであり、ここぞで見得を切るみたいなベタな構造にしてくれないので感想が書きにくいわなあ。ジッパーでバラバラになってる一張羅、相手をキノコの集合体にしてそれを喰う魔法使、どうやら魔法使にとってはマスクが重要であるような描写、こんなに荒れた世界なのにどうやらスーパーやコンビニは成立しているという世界観…とまあ、どうにも異質なディテイルの集積が何となくマジックリアリズムっぽくてそれが楽しい。あと能井さんか、バイオレンスな人がマスクと服脱いだらゴツいけど美人なお嬢さんでした…ってのはあれ、マンガ原作だとサプライズ要素だったんだろうなと想像する。アニメの場合は元から小林ゆう声だったからねえ。

●イド:インヴェイデッド・4話。今回の面白シリアルキラーは拉致した被害者を生き埋めにしてそれをネット中継するという、毎度ながらようこんなめんどくさいキャラ考えるなあって感じの人。メタファーで覆われた世界から虚飾をひっぺがしてって真相に迫る快感をキッチリ提示しておいて、しかしあくまでそれは精神世界のみの話であり現実は…という多重構造のギミックがよく生きている。中継動画と見せかけて実は録画であり、被害者はすでに死んでいた、という無念さはなかなかたまらんものがあるなあ。あと穴あきの人が試験的にイドにダイブしてましたけど、なんしかイケメンになるんだな。名探偵ってそういうもん、なんだろうか。

●映像研には手を出すな!・3話。実績作って予算を取ろう! ってことだけど、浅草/水崎両名の実働班だけじゃなくて金森氏のプロデュースパワーも問われているのである。ホンマあの絵バカ二人はほっとくと明後日の方向に走ってってしまうので、手綱取るのも大変だなあ。水崎氏の「アニメとして日常の小芝居が描きたいんじゃあ!」に対して「(素人にプレゼンするには)コスト高くて地味なんですよ!」と返す金森氏、いやあ…いい対比だねえ。んで今回も、妄想作画シーンは純粋な見どころそのもの。前半のプラネテス的な宇宙空間妄想もいいし、後半クライマックスの「マチェーテ女子高生対ダブルバレル戦車」という痛快バカアニメもいい…っつーか、毎度ながらプロ中のプロが作画再現してんのがとてもズルい。「爆発をいっこ描いてコピーしてお手軽にハデに…」って単一の爆発絵の時点でクソ上手いじゃんかよ! こんなん見たいに決まってんじゃん!

●バビロン・11話。G7サミットで何故か善悪のスピリチュアルな会議が行われてるのがなんかシュール過ぎる。当然結論が出るワケもないのだが、ここでの議論を踏まえた上で新域の自殺希望者・あるいは今後の展開に影響を出してくるんだろうか。んでその新域の自殺希望者という「イベント」ですけども、女性の姿が出た段階で「まずいこれ正崎さんの奥さんだ」と恐怖したら違った。でも多分この人、マガセさんだよなあ…。大統領と話すことで、どうとでもヤバい展開に出来るぞ。残り話数から考えても、破滅的オープンエンドじゃなかろうか。うへー。