虚構推理/ドロヘドロ/イド/映像研

●新番組・虚構推理。ヒロインだか主人公だかの琴子さん、ちんまりとしたお人形のような美人だが義眼義足の「異形の知恵の神」、名前はイワナガヒメ、そして性格は図太くて図々しくてやたら押しが強い、という盛りに盛ったキャラがまずカロリー高い。本編での言及通り身体の欠損は神性付与のスティグマとしてアリネタであり、思い出したのがミーミルの泉にて知恵との引き換えに片目を差し出したオーディンですけどもそれはともかく。上記の通り異形っつーか妖怪たちが跋扈する世界観なのだが、時にコミカルで時に致死力が高い彼らの存在感は夏目友人帳のそれを思い出します。どうやら言葉によって立つような作品っぽいので、今回ほとんど出てこなかった虚構と推理成分は次回に楽しめそうだなと思う。期待してみましょう。

●新番組・ドロヘドロ。とにかくこの第1話、世界設定からストーリィまで実に雑然かつワイルドであり、何かのテーマがあるというよりは「そこにあるそういうもの」を描きたい、ってな意図こそが前面にあるって感じで潔い。「扉」によって隣接する魔法使の世界と、彼らの気まぐれな介入によってひっかきまわされる主人公たちの世界。まーあなんかのついでみたいに人が死んだり異形化したりするサツバツ世界だけど、キャラたちにどっか躁的な開放性が見えるのが独特だ。とまれ、こういうカオティックな風景はかなり好みではあるので、ちょっとついてってみましょう。

●イド:インヴェイデッド・3話。爆弾魔による連続殺人に挑む名探偵の人。ハデで大雑把に見える爆殺行為は、印象とは逆に周到な精神と準備が必要とされる…ゆえに自分以外をちまちまと潰してゆくスナイピングこそが彼の本質である、とかそういう理屈が面白いな。殺人者の心の帳をひっぺがして自殺に仕向けるレクターさんみたいな一面を見せる主人公、こういうキャラになると津田健次郎がどっぱまりするな。あとMAOさんの人はこれ、もとからこういうキャラだったんですかね? 前頭葉部分欠損によるエキセントリックさが見えません?

●映像研には手を出すな!・2話。我らの映像研発足、機材は「旧アニ研」倉庫から拝借するということだけど…この高校、マルチプレーンカメラまであるとは本格的なアニメ制作やりやがってたんだなあ。一方で風車利用の発電機ってのはなかなかロマンマシンではある。そしてこの倉庫で「回転作画のツメタメ」と「風の画面効果」について模索するって流れ。…高校生による発展途上の気付きや習熟を、大の大人が大人げなく、業界最高峰のアニメーションパワーで表現する(最後に大風の中で回る風車の大人的お手本作画付き)。ちきしょう好き勝手やりやがってうらやましいいろんな意味で。あとホンマ、金森氏がこのパーティのカナメになりそうだ。この人居ないと空回りでオーバーヒートしちゃいそうだよ。