けものみち

●旗揚!けものみち・最終話。ラストはメーンイベントとその打ち上げというすごく正しいシメ。中途のゴタゴタも決着後の「やっぱいいなプロレスってのは」という言葉によってなんかエエ感じになっちゃうのがすごくズルい。中盤の技で語り合うシーンといい、大乱闘で盛り上がるシーンといい、お約束に沿ったノリがイイ感じにジャンクフードっぽさに繋がっている。あとかなりどうでもいいけど、ライトによるチンダル現象っぽい埃の描写をキッチリ入れてくる細かさに笑ってしまった。そここだわるんだ! いや確かにこだわりたいけどさ!

●総評。全体的にB級感と低予算感とお手軽感漂う作品であり、後世に長く伝わるタイプとはとても言えない。しかしそのジャンクっぽさはテーマである異世界/プロレスにかなり合致しているのも確か。だからっつって中盤近辺の中だるみを全肯定するにはあまりに足りないが(もうちょっとテンポよくネタをぶっ込んでくればまた違ったかもしれない)、それでもまあね。うん…これ、あんま嫌いじゃないわ。

もし予算と期間が潤沢にあったなら、説明的要素を簡素に済ませて格闘シーンを綿密かつ立体的に膨らませ、それを毎回のメイン要素にする…という選択肢は充分にありえるところ。しかし、多分今回の制作枠に与えられたバジェットの制約であれば、この作品のデキってのがほぼベターな成果物だったんだろうなと思う。そういう意味で、スタッフ連中そろってようやったなあ、という感想ではありますねえ。

割と面白い世界設定の構築ぶりだったと思うので、こっからいろいろスピンオフが出てもいいかなと思うけれど…そうねえ、マジレスラーが主人公とMAOだけだったので、そこらへんの補完とかあってもいいかもしれない。現実世界から呼んでもいいけど、何故かこの世界に居たプロレスメソッドな魔物とか、そんなんでもいいや。…てことで、なかなか楽しめました。あとシグレさんはもっと報われてもいいと思います。以上。