オリオンの肩先 タンホイザーゲート

●こないだ思いがけず仕事でずっと外に居たらえらい日焼けして、そんでちょい免疫力が弱まったのか口唇ヘルペスと熱が出て参っている。発熱したので「こりゃ夏風邪でも引いたか」と思ったんだけど風邪症状はなく、ただ熱出てふらふら消耗するのみなのであった。口のハタに水疱が出来て面倒だし、あと胃腸の調子も全然プーなので全体的にデバフ状況であり堪らん。…ホンマはこの機会にちゃんと休み取って精進すべきなんだろうけどねえ。だけどねえ。トホホ。

●こないだ更地になってた元の俺んちをまたちょっと見に行ってみたが(今の家と商店街の間にあるのですぐ行ける)、本当に何にも無くなってるのであんまり面白みはない。まあいざ本当に無くなってみるとかつての我が家も思い出されては来るのだが、なんかそれ以上に横にあった大家さんの家の方を強く思い起こしてしまう。用事で何度かお邪魔したことがあったのだが、数十年単位でずっと暮らしてたんだろうなあって雰囲気が印象に残っててね。本棚にある書籍の時代性、棚の小物、鍵束、民芸品、柱のメモ、温度計、部屋の隅の掃除機、片付けの時期を逸したらしい壊れたラジオ。少しずつ少しずつ累積して、この風景が形成されてったんだろうなと思わせるたたずまいですよ。

「そんな思い出も、やがて消える。雨の中の――涙のように」

いやホンマ、なくなるときってのは一瞬である。そういうものなんだねえ、と砂利とカラーコーンの空き地見ながら思う。…今後これから、こういう思いすることは増えてくるんだろうな。参るねえ。