アウトレイジビヨンド

●録画スタックしてる作品がいくつかあって、そのうち見なきゃと思いつつそのままになってる。そのうちの一本、アウトレイジ・ビヨンドを見る。無印アウトレイジ北野武映画のスタイリッシュさ、すっとぼけたバカギャグに加えて「ちゃんと通俗エンタテイメントしてる」という点においてかなり好きな作品だったのだけど、この続編も正当な延長線上にあってとても楽しい。世間一発目に出た前作のある意味での純粋さには一歩劣るものの、あいっかわらずどいつもこいつも救いようのないヤクザ思考の面々、あるいはこすっからく生き延びあるいは無様に自滅しのモザイク具合がおもろくてしゃァない。…前作もそうだったけどこれ見ると、直後しばらくは思考形態も言動も「なんだこの野郎バカ野郎」ベースになっちゃってヤバイ々々。

キャラで言うと関西組三人どれもエエんだけどまず塩見さん、今まで気弱だったりエエ人だったりという印象が総吹っ飛びするくらいの「あ、この人ってこうなんだ…」ってなゴリゴリヤクザぶりがまず凄い。確かにあの面構えで悪役経験が薄いっての、この映画見ちゃうと信じられへんわな。んで前作から続投の石原訳加瀬さんの、もうどーしよーもない小物悪人キャラがとてもとても光ってて、有名な「野球やろっか」シーン含めてオイシイことです。そして前回も割とそうだったんだけど、武の大友は一応主役だけど基本振り回されキャラで能動性には薄いとこへさして、今回ほぼ物語上の牽引的主役なのはなんちうても小日向の片岡刑事やよね。「テメエの利欲でヤクザどもを手玉に取って暗躍するゲッスい男」であり、本質的にこの映画の背骨部分を作ってんのこの人だもんねえ。この人退場しちゃって続編大丈夫なんかしら。松重ゴローさんはどうもそこまでのゲスキャラじゃない感じだしさ。

てことで、今回もおもろかったです。北野映画で割と好きな「ただグイグイ歩いてゆくシーン」もあったし(ラストの武本人のがいい)、かなり好きな方かも…って近年の武映画ほぼ見てないけどさ。