フランキス/魔法使いの嫁

ダーリン・イン・ザ・フランキス・6話。強大な敵を前に今生の別れみたいな最後の告白みたいな、そういう台詞もヒロに言えないイチゴさんであり、そんな二人にごりごりと心痛めるゴローさんである。レイヤの違うところでもがいてるヒロとゼロツーに対してどうにも矮小な苦悩ではあるんだけど、でも人の苦悩ってそんなもんである。今んとこ、精神性の濃度ではイチゴさんたちの方が主人公っぽいよね。「ヒーローになれずヒーローに寄り添えない弱者」であるな。主人公二人がお互い以外へのヴェクトルをマスクしちゃってるだけに、余計に濃度がね。

そんな感じでキャラたちの立ち位置が割とヒネリがある一方、あるいはそれだからこそ、その他の要素がかなり強化されたテンプレに乗っかってて少々おもろいくらいであった。システマチックに作業をこなすエリート部隊、思わせぶりなことを言う博士、最後に高いところに出現して一言だけイヤゴト言う謎のイケメン…とまあてんこもり。ここは素直に判りやすく盛り上げとかんと意味がないから、って感じでしょうか。

山場っぽいとこだけにバトル描写も盛り上がる。つのつきあくまフェイス→巨大な人型→二足歩行破城槌、と多段階変形する敵がなんかトランスフォーマーみたい。直方体の破城槌モードがぐりんとねじれてぶっ壊れる絵が、文字通り破壊力高くてよろしかった。作劇ってこういう「絵」を思いついた瞬間が勝ちだよね。

魔法使いの嫁・8話。冒頭いきなりえっぐい手術シーン。具体的な絵は見えないんだけど音や構図やドアップの目など、なんかヤバイことされてるという腹の辺りが重たーくなってくる感覚が秀逸でぐろい。これなーんだってことですが、前回さらわれたドラゴンの仔を暴れぬよう「処置」してたとこらしい。カルタフィルスの手によるもののようだが、その真意はともかく、チセさんは何とかこの子を救いたい。依頼を持ちかけてきたカレッジと、イマイチ乗り気でなかったのを説得したエリアスとともに、なつかしの違法オークションに向かうチセさんであったが…っちうね。

何とかなるかなってとこでどうも仕掛けられてたくさい「仔ドラゴンの暴走」が発生、事態はえらいことになってさあどうする…ってとこで次回に続く。カルタフィルスが全く前面に出てこないのが不安要素であるし、真綾声の謎姉さんがこれまた謎なのでこれも読めない。まさかカレッジの鈴村と夫婦っちうネタでもあるまいがね。…カレッジの三人、日野と鈴村と小西という並びでどれも質の違うイケメン揃いなのですな。女性に置き換えてみると、なんか感覚が判る気がする。