ゴブスレ/グリッドマン/バキ

ゴブリンスレイヤー・11話。普段プラグマティズムの権化として振舞っている彼が、適切な行動だと選択してランサーの人に頭を下げる辺りがいい。彼にとってはそれ以外ない行動なんだろうけど、それでも視聴者側には彼の本気がわかるという。…でもまあ、このシーンのMVPはランサーさんだよね。この人の振舞いが皆の反応を誘ったところはある。あとやっぱ、こういう多人数の総力戦ってのはキッチリ描かれることでカタルシスがありますな。ワーグに騎乗したゴブリンたちが吸い込まれるように槍衾にぶっささるとか、ゴブスレさんの周到さの描写がいい。


グリッドマン・最終話。怪獣化したアカネさんは泣き声が「いやあああ」だったりしてなかなかキツい。そんなアカネさんを一旦救ったのもつかの間、無限の生命を持つアレクシスさんが降臨したのでフィクサービームで浄化するグリッドマン/ユータさんでした…という話。アレクシスさんがとてもいい感じの「悪役」やっててよろしい。てェか「退屈から救いにきた」の対象ってこのおっさんだったんかしらね。あと、アカネさんが本当に等身大のちんまりした女の子になってたのが印象に残る。こういう立ち位置は見につまされることだ。まあラストの実写パートでは結構な美人さんだったんですけどね。

●総評。いやあ、何というか…グリッドマンの本編はホンマにちょっとしか覚えてなかったんだけど、それでもこの作品が本家好きの極みによるものだってのは判る。まあそれ以外にも製作者の好みや嗜好がてんこもりではあるんだけど、それにしても、今この時期に・それもトリガーが、正義と友人と世界を救って手を握るという真正面の物語/脚本を紡ぐってのが大きな意味を持つなあと思った。1クールという尺による「語られなかったディテイル」もそこここにあるんだけど、それもまた余韻。最後の最後に本編のグリッドマンに繋げるギミックも悪くない。…ここまでキレイに終わってしまうと続編も作りづらいし、また蛇足にも思えるけれども…もしあったら見たいなと思う。

あとはまあ、上記の尺の短さもあるだろうけど、全作品に亘って作画の質がキッチリと保たれてたのはよろしいよねえ。それだけで「次回も見てみよう」と思うもの。てことで、うん。中途から見だした作品だったけど、充分に楽しませてもらいました。トリガーの次作にも期待…って、かずき脚本の今石監督なの? それはそれは。

●バキ・最終話。最終話なの? これからライタイ祭が始まりますよってとこなんだけども。とにかく最終話で主人公が(一応キッチリ強いものの)始終毒ステータスのままで血ィ吐いたりフラフラしてたりしてる、ってのがヘンテコでたまらん。これ、人気あったらライタイ祭やりますよってことなのかな…。個人的には死刑囚編よりも上手いことシメられるような気はするんだけどね。勇次郎と郭海皇でキッチリ終わらせられるし。あと、劉海王の飯塚昭三の声が流石に衰えてきてんのが寂しい。85だもんねえ。

●総評…つってもあんまり終わってないんだけど、まあバキという原作からしてどっからどこで区切りにくい作品ではある。どうでしたと言われればすごく面白かったし、途中作画的に息切れしてたとこはあったにせよ全体として迫力のある絵面だったし、上等なアニメ化なんだけど…なんで今死刑囚編を? ってのはないこともない。まあそれまでのアニメ化で人気のある美味しいとこを大概やられてるってのもあるんだろうけども。…今回のこの製作体制で、地下トーナメントを見てみたかったなあ…ってのはありますねえ。あそうだ、バキが駄目ならアレやりませんかアレ。板垣餓狼伝の北辰トーナメント。この作画と演出でなら是非見たい。マーケティング的にムリだろうかなあ。