ピザ購入決死の彷徨

●風邪引いた。薬服んだら一応ある程度動けるのでインフルじゃなさそうだが、やっぱめんどくさい。休んでウチに居て、食欲は無いこともないのだけれど、自炊するのがめんどくさい。なのでそうだなあ、ピザでも頼んで喰うかと考える。…ここで何を考えたのか「持ち帰り半額」を選択する辺りが救いようが無い。こういうときこそ普通にデリバリしてもらえよ数時間前の俺よ。

時間が来たのでちょっと厚着して自転車に乗る。数十m進んだところで既に「あ、これはヤバい」と思い知り始める。部屋でごろごろしてる分にはそれほどしんどくもなく、まあ行けるだろと踏んでしまったのが運の尽き。普段なら運動というカテゴリにも入らない程度の自転車こぎが容赦なく体力を奪い、山から小雪が吹き流れて来るような周囲環境が体温を奪い、継続的なスリップダメージ状態となる。ああバカだバカだ俺は、何やってんだこんな都会のコンクリート砂漠の真ん中で。注文キャンセルができるかどうかということにさえ頭が回らず、ほうほうの体でピザ屋にたどり着く。ここでセーブ。

体感的には体力点が50%程になったような状況だったのだが、あったかい待合椅子で休んでいるとゆっくりリジェネレートしてきて80%くらいになる。このあとここでボーっとするだけならこれで構わないだろうが、こっから同じ道をひっかえして行かねばならない。単純計算だとウチに帰りついたら体力30%、ここまで削れてしまうと他のバッドステータスを併発する可能性もある。しかし、ああしかしこのピザを持って帰る以外の選択肢はもう無い(そんなことはないがもう考えつかない)。満身創痍で帰途に着くスコット南極探検隊を頭に描きつつ、決死の覚悟で自転車のサドルにまたがるのである。

…帰ってきたら体力点は60%くらい残ってた。どうやら普段は気付かなかったが、この道ってウチの方へゆるやかに下っていたらしい。あまり風もないのにろくにペダルもこがず帰り着くことができた。ああこの僥倖いかばかり。然るべき信仰を持っていればヤギの一頭でも生贄に捧げて神に感謝するところである。素晴らしきかな人生。素晴らしきかな世界。

●ピザは喰いきれないので残した。うん、風邪だしね。