舟を編む/ドリフターズ

舟を編む・8話。新人がやってきて辞書編集部の仕事もちょっとは楽になるかしら…って13年後ですかいな! またえらい時間飛びましたなあ。マジメさんとかぐやさんは結婚しててかぐやさんは女将になってて、しかし相変わらずマジメさんはああいう性格してんのがなにやら微笑ましい。しかしかぐやさん、すっかり落ち着いたな! 幻想的な雰囲気のお嬢さんだったのに…いやまあこの所帯じみた感じもキライじゃないですけれども。

ああその新人さん。ファッション誌からの異動ってことでどうも馴染めないのである。そりゃまあ佐々木さんとほぼ二人でコツコツやって来た場所ですから彼らに最適化されており、「アウェー感」はハンパないところではある。一度はヤんなって逃げ出そうともしたが(酒の場から走り去るとこの作画がなんか凝ってて良かった)、しかしいろいろあってどうやら定着してくれそうな雲行きであって良かったね。言葉を大事にしている人、ってな属性の見せ方はよろしかった。

新人さんと製紙業の営業さん、この「フレッシュ」な二人のキャスティングが日笠陽子浅沼晋太郎…ってのがこのアニメの方向性をよう示していると思う。かなりガッチリした演技力を求めてんのね、というか。どのキャストも(やろうと思えば)かなりエキセントリックな役所をこなせる人材のところ、あえてナチュラルなドラマに乗っけてんのが面白いなあ。前も言うたけど、フツーのオバハンな榊原良子って久しぶりに見るよ。うん。

ドリフターズ・9話。冒頭にサンジェルマンたちが移動しているところを挿し、本編はノブたちのどわあふ解放戦線の巻。帝国の一大兵器工廠を落とすのは通常ならばなみたいていのことでもあるまいが、ノブたちにはまず火薬がある。これを突破口とし、お豊の制圧力と与一のスナイプにオルミーヌの「石壁」を気持ち良さそうに指揮するのが信長の智謀。ここでエッセンス的にハンニバルを使ってんのはまあ…この人が万全だとチートすぎるという思惑だろうねえ。

自分たちと見ているところが違うこの世界の者たちを眺め、信長は考える。自分たちがここに居るレゾンデートルはパラダイムシフトを起こす者としてのそれだ。ガトリングに驚きパランティアもどきに興奮する彼は、どこか型に嵌って牧歌的ですらある民たちを実際的戦闘という価値観で染め替えることを目論む。そしてその先は…さて、ムラサキはなにを彼らにさせたいのか? さてねえ。

ドワーフの工廠が実質「強制収容所」なのはなるほど、あの元伍長が興した国だけあるなあとは思う。ご丁寧に「労働は自由をもたらす」の看板まであるけれど、しかしどうなのかね。ヒトラーだけじゃなくてひょっとしてゲッベルスに当たる取り巻きが居たりもしたんかね。そこまで描写することはなさそうだけど、ちと気になるところ。