舟を編む/ドリフターズ/ジョジョ/オルフェンズ

舟を編む・4話。大渡海中止という情報を得てしまった西岡さん。金食い虫…やっぱそうかあ。経営の問題となるといくら有用性を訴えたってなかなか突破もできない。ならばと西岡さんは「既成事実を作ってまえ」ってなもんで、このギョーカイの著名者に前倒しで執筆依頼をツッカケてゆく、という策を立てる。いやあ、こういうときは実に頼りになるねえ。スマートではないが有効だ。そして目論見通り大渡海の話題は広がってゆき、会社も無視はできなくなるだろう…けれど、あの話題のされかたはちょいと不穏だなあ。ま、それは次回以降か。

後半はなんのかんのでデートすることになるマジメさんとかぐやさん。主題歌背景にも出てくる観覧車、そのゆったりとして回ってゆく風情はこの作品のテーマ、そして彼ら二人の様相によく合っている。この先大渡海がどのような苦難を迎えるかは判らんが、そうだねえ…ひょっとして二人でいればね。そらばあちゃんも苦手なウィンクもしますかな。

劇中テレビのキャストが何か知らんやたら豪華で、ほんのチョイ役シーンに家中宏秋元羊介、なぜか平野文まで出てきてる。なんだこれ。みんなそんなにヒマだったの?

ドリフターズ・5話。やってくるオルテの兵たちを、ドリフたちの流儀で迎え撃つのである。井戸に糞を投げ込み鏃には糞を塗りトラップには糞を仕込み、あとついでに硝石も糞尿を利用して採ろうとする、コイツらは実に糞野郎でありこの作品はまごうことなき糞アニメ。なんかこう、中世おもしろエピソードの定番ネタがこうしてストーリィにガッチリからんでくるとそれだけで面白いなあ。

襲来した兵隊を排除したら次は愛を取り戻す。女たちがさらわれてった城壁に、信長さんの策術でもってもぐずり込んで大暴れの面々。ラストシーン、エルフの女たちが人間のおっさんの群れに陵辱されてるという、えろまんがでは割と見るようなシチュを地上波アニメでマジ提示してくるのはちょっとすごいなと思った。画面の明度落してるとは言え、ようやったなこんな絵。

様々な企てを立てつつ、人の戦について回る暗部と狂気が面白くてしかたがないといった風情の信長さんがいいキャラしている。やっぱこれ、内田直哉の演技もあってこその見所だよな。アニメが開始してこのキャスティングはそこそこ意外だったけど、今となっちゃもうこの人以外考えにくくなっちゃったものねえ。

ジョジョの奇妙な冒険・32話。7月15日の事件は更に続く。鉄塔の男を何とかケリ付けたはいいものの、気の休まるヒマもなく康一くんが襲われた件に対処しなければならない。その頃露伴先生は乙さんの背中を見たくてしょうがなくなっていたのでありました…ちうね。これ、こうして同一の日時でシャッフル交えて並行描写されるとなかなかクールではあるな。

ちょこちょこ原作から要素をカットしてて、そのカットがあまり違和感ないので全体として割とまとまっている。多少急いでる感覚はあるがこれはまあサスペンスを煽ってるという演出の範囲内、逆に言えばちゃんとカットしとかないと実にせせこましいアニメになってただろうな、とは思う。

とりあえずヘンテコすぎる乙さんは置いといて(よくこれで不動産営業をやろうと思ったな)、エニグマの少年は結構敵役としてワルいお人だなってのを端的に見せてんのがよろしい。本人じゃなくまずその身内、母親を得物にするってのがエグ味がありますな。結局この人の動機は最後までよく判らなかったんだけど、こうして見ると単に根っから「危ない人物」だってことなのかもしれない。あとそうそう、このスタンドってエッシャーの要素が大きかったね。荒木先生、こういうデザイン好きそうだもんなあ…。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ・31話。鉄華団地球支部の戦いはいきなり半月後。なんと半月も、ずるずると消耗戦を繰り広げている。一進一退と言えば聞こえはいいが、実際のところはガラン・モッサのモッサモサさんがマクギリスさんをハメるために作り上げた偽りの接戦。こんな身も意味もないドロドロの泥沼な戦いによって死んでゆく鉄華団ヒューマンデブリたちがただただ悲惨である。

すげえなあと思うのはこのモッサさんの描き方。裏ではタカキやアストンたちを犬やケモノと呼んで一顧だにしていないゲスな人だが、タカキたちから見た姿と言動がものすごく「頼れるワイルドな人」なんだよねえ。旧型機を操る百戦錬磨のワイルド傭兵…世間的なクリシェを上手く使ってんなあというか。そしてこれ、立場が逆ならかなりストレートに「喰えないが腕の立つヤツ」だよな。まあその相手がガキたちなのでどうにもゲスい風情からは逃れられんのですけれどもさ。

そしてタカキたちが強いられてる幻の消耗戦、これがまたアニメでお出しされる最大限の「形のない絶望」ってな感じが出てて本当にゲンナリする。頼みの綱の大人たち…まあ言うてもオルガとミカ辺りなのだが、彼らが居ないってことはこれほどの救えなさなのか。んでまた悪いタイミングでマッキーが出てきてねえ…。待ってましたといいたいけれども、これ最悪タカキやアストンとぶつかってしまう流れだよなあ。鍵は軌道上のユージンが言う「やりようはある」という言葉だろうけれど…さてねえ。