ジョジョ/ガンダムUC

ジョジョの奇妙な冒険・24話。想定外な康一くんたちの反抗により衆目の中でなんかえらいことになってる吉良さんである。こういうときにすかさずゲスいチンピラさんたちをからませに来る荒木先生はホンマ、性格がよろしい。まあこの場合は今まで平穏無事にやってきた吉良さんに次々と災難が降りかかる、というネタの一環ではあるんだけどね。

てことで、お互い苦労苦難の末に決着つくかと思いきやなんとか逃げ切る吉良さんの話。シリーズのラスボスの中ではかなり人間的な、というかぶっちゃけ隙が多い吉良さんらしい綱渡りシーケンスと言える。これから急いで始末しなきゃいけない対象の靴下が裏返ってんのが気になってしかたがないので履きなおさせてからぶっ殺す、という辺りは筋金入りの変人悪役ではある。その前に康一くんをいたぶったりもしてたし、結局は逃げ切ったもののそれでもかなりデカい対価を払うことになっちゃったのは自業自得と言えなくもない。そういうヘンにアンバランスなとこも彼が割と人気ある理由なんだろうな。

にしてもラストの辻綾さんとこのシーン、床には瀕死の女性、机には半裸で顔面を失った男が突っ伏して死んでいる…というあの絵は今見ると相当に猟奇的な絵だな。ノリで言うなら米国サイコ映画にもありそうな感じ。

機動戦士ガンダムUC RE:0096・最終話。ラスボスというよりはラストイベントのコロニーレーザを防ぎ、その勢いでなんか神さま的なものになってあっちの世界に行きかけてるバナージさんを、なんとかこっちの世界に引き戻してシメ。リディさん、勢い込んで追っかけてったのにバナージさんが女の子のあと追っかけて勝手に戻ってきちゃった、みたいな流れがなんかかわいそう。名を呼ぶ声くらい届かせてあげても…まあミネバ様の方が絵にはなるけどさ。

あと、最後何となくシレっとエエ仲間みたいな顔してブライトさんの横に立ってるリディパパがなんか納得いかん。お前最前まであんなけブライトさん脅してたやんけ。マーサおばはんは最後までとても清々しい悪役でした。映画とかではよく見るけど、ガンダム世界では案外こういう悪役少ないよね。

あとなんかおまけみたいな感じでくっついてるミコットとタクヤの絵。何となく生かしきれなかったサブキャラ、ってな印象がありますがどんなもんでしょうね。この二人、無くても話も雰囲気も成立するもんなあ。

●総評。ガンダムワールドの外伝話ってことで、いやもうこれ、原作からスタッフからガンダム好きなんだろうなーってのがよく伝わってくる作品ではあった。それはミリタリや戦争というリアルロボな面だけではなく、所謂ニュータイプなんかの妙にスピリチュアルで精神世界っぽい要素をメインで盛り込んできてるとこも。見る前はそこまでガッツリとニュータイプがからんでくるとは思ってなかったので、なんか新鮮な感じで見ていましたよ。

そして本編でも何度も言うたけれど、それまでのガンダムワールドの設定をふんだんに取り込んできてお出しする大盤振る舞い感覚。ジュアッグやゾゴックまで出てきたのには恐れ入ったが、そいつらが(いろんな意味で)ちゃんとかっこよく描かれているのがまず嬉しいやね。この辺はホンマ、過去作品見て喜んでたおっさん連中へのサービスというかポルノというか。あとブライトさんがすっごくブライトさんだったのにかなりびびった。成田剣、そこまで鈴置声してたっけ? とか思ったものね。

お話の長さとしては約半年、2クール分。最近はこれで長いほうのアニメとなるけれど、時間や空間的な広がり的には初代ガンダムのような「戦争状況」ではなくて一大「事件」というレベルの分量。そうねえ、2クールだとそのくらいがベストなんだろうねえ、と改めて思った。特にこの作品は元劇場ってこともあってものすごく質が高く、そういうコッテリしたノリで見る分にはひょっとしてこのサイズが限界だったりしてね。1年やったら胃もたれしたかもしれない。

てことで、ガンダムがどうこうっての抜きにしてもとても楽しい作品でした。ちょっとプラモ買いたくなったよ。