ジョジョ/ガンダムUC/甘々と稲妻/モブサイコ

ジョジョの奇妙な冒険・17話。康一と露伴と杉本鈴美の巻。スタンド以外の怪異ってことで、この町にはよくよくヘンなモノが集まってくるなあという話。結局この怪異の一件によって、主人公チームが吉良を知ることとなりこのシリーズを終えることができたという…言ってみればかなり重要なキッカケになる話なんだよなあ。それを置いといても「地図に無い路地があってそこから抜け出せない」というのがいい。逃げらんないのは困るけど、いっぺん行ってみたいと思いますよええ迷うこと好きなワシからするとね。

路地から脱出するにはうしろを振り返るなというルールがある、と。声色を使って騙すとかかなり積極的だが、民話などの「見るなのタブー」にかなり忠実なネタなのが面白い。今回はこれに限らず、歩いたり走ったりすることが主要なモチーフになってるようで、話の最中にちょっと歩いて行く鈴美さんとか、妙に印象的で凝った作画しててよろしかった。あの歩きシーン、多分コンテ上でそれらしい指示あったんだろうな。

ラストに吉良登場。ああ…森川智之か! これはまたエエトコ突いてくるなあ。冷静で頭が回ってかつ変態的という吉良のキャラによく合っておられる。イケメン声がゾクゾクと怖ろしいっすねえ。

機動戦士ガンダムUC RE:0096・15話。ミネバを救ったバナージは更にジンネマンとマリーダも救い、まあ主人公ってのは辛いよねー、ってとこまではいいが救う対象、というより意識の中にリディさんが全く存在してなかったっぽいってのは象徴的。ガンダムへの憎悪をつのらせる辺りはプルトゥエルブとしてのマリーダさんと似ているが、彼の場合はもう少し…「家」に囚われてしまった歪み具合、とかそんな感じが致しますな。ペンダントを捨ててしまったことで、彼の人格は今までと決定的に変わってしまった、というまあそんな一幕である。

友軍であるはずのゼネラル・レビルから攻撃喰らって絶体絶命、ってとこで出てきたフル・フロンタルご一統の「負の信頼感」というか、あー一応助かったけどこりゃめんどくせェことになるよなというか、とにかく様式美としての見得切り具合は抜群であった。あのハンマハンマもどきに乗ってるアンジェロさんが、大暴れした後フロンタルさんに道を譲る時の「かしこまりましたポーズ」をMSでやらかす辺りとか、もうヘンな笑いが出ましたよ。

細かい演出は今回もいろいろと興味深い。上記リディさんのペンダントシーンのベタさもいいし、どうやら助かったらしいバナージたちを見てホッとしてるブライト、を横目でチラと見てる石塚副官さんもいい。一方でレビル艦のクルーたち、ハッキリと顔が描写されないのが徹底されてて面白い。今までのMS戦もそうだけど、こういう「顔の無い敵」というモチーフは割と頻出するのよねこの作品。何らかの思想や伏線というよりは「登場人物の印象整理」ってな意味が強いんだろうけども、どことなく無機質な雰囲気がかもし出されてて妙に心に残る演出ではある。あとここぞってとこで「ガンダム起動音」を出すユニコーンさんはサービスいいなあと思った。いやユニコーンさんっちうよりスタッフだけど。

甘々と稲妻・4話。ピーマンとつむぎちゃんの関係性について。まあお子様ってピーマンニガテなこと多いよね…って、ワシは苦いとかそういうことも感じたことなかったんだけどな。「子供は舌が敏感なので苦さや辛さに過剰反応する」ってとこから見ると、幼少時代のワシは殊更鈍感だったのかもしれん。ま、それなりに苦手な食物とかはあったんですけどね。大根の煮たのとか。それはともかく。

子供の食事と好き嫌いってのは避けて通れないことではある。作ってあげた料理に露骨に不興を呈され、落ち込んでる先生の気持ちは割と判るところ。そうねえ、自分がおいしいと思ったことには共感をもってほしい、ってのがあるよね。それで小鳥さんと話している時に「先生はどうしたいですか」とサジェスチョンされ、考えることになる。食べられるようになること…ではなく、やっぱ「おいしいと思って欲しい」のだ。

それを受けて今回は野菜グラタン。いいなと思ったのはこのことでピーマンの克服には至らず、つむぎさんにとっては苦手な食材には変わりない、ってとこ。そう魔法みたいに上手くは行かないが、しかしこうしてみなで食べることは楽しいな、という…その感情こそが回答だったのだろう。うん、人それぞれでありまだこれからでもある。みんなで食べていこう。いろいろと。

なんかサバサバした感じの戸松遥声の友人が出てきたけど、今回はまだ顔見世程度。これからこの人も絡んでくるのでしょうね。

モブサイコ100・3話。前半は先週の続き、肉体改造部に入ってヘロヘロになっているモブさんである。絵的にも立ち位置的にもちょっとした当て馬キャラたちかと思ってた改造部員たちだけど、結構馴染んでたりエエ人だったりしてちょっと面白い。またこれも先週で退場っぽかった脳感部もまだ登場してて、やっぱこの部長さんのなりふりかまわねー必死ぶりもちょっと面白い。何だかんだでレギュラーキャラが増えてきてんな、って感じはする。

んでメインの話はアヤシゲ極まりない新興宗教・カッコワライについて。感情を押さえつけているのもあってちっともモテないモブさんの、そんな心の隙間をお埋めします…とまあそんな感じの人々。しかしそれだけではなく、教祖のエクボさんはどうやらマジモンの悪霊。彼が(当然とはいえ)モブの感情を煽りまくったことで、モブさんはとうとう「100」に達してしまう…。ここが見所とばかりにガッツリ動き回る作画が楽しい。初回の時、エエ動きはともかくこのちょい抜け気味なテイストがどこまで保てるかなあとも思ったが、今んとこちゃんとこの作品らしい独特な感じは出てますね。これ、普通にキレイな作画するよりめんどくさいんと違うやろか。

ふむ、何だかちゃんと「お話」を語ろうとしているような、そんな意識が感じられる。今んとこそれは悪くない状況で、しょーもない流れもベタなキャラもエンタテイメントとして十全に機能しているなって感じ。上でも書いた改造部とか、ああいう書いて捨てるようなキャラを割と生かし気味に持ってきてんのはいいな。

先週も出てたがその部長に何故かの関俊彦。あんたこんなキャラやるようなニッチのお人でしたっけ? そして教祖エクボにナレータ兼の大塚明夫、ヒロアカでも悪役ボスやってましたね。エエ声だからこういうのも似合うことだ。