だがしかし/昭和元禄落語心中

●だがしかし・5話。前半はビンラムネとベビースターベビースターはともかくビンラムネってのも知らなかったなあ。途中いきなりパッケージごと喰いだして割とびびったのだが、なるほどモナカの外装にラムネ粉が入ってる駄菓子だったのか。などという新たな知見もともかく、中のラムネをヤバい粉に見立ててコントをするという、その何だ、イヤなタイムリー加減はどうしたものか。これ、制作側からするとどうなんだろうね。オイシイ? 辛い? あとベビースターをお題にゆーちゅーばーやってるお父んのいたたまれなさがものすごくて、正直冷や汗が出るかと思った。フォローに回ったココノツさん、これでその手の界隈においては有名人になったのかしらん。

後半はヤッターメンとすっぱいぶどう。これもワシは知らない駄菓子だが、地域性というよりは年代的なものかしらとも思う。こっちのパートはほたるさんがとことんクジ運が悪くてギャンブル性が無いというネタだが、ホントこういうへっぽこ属性が魅力になるお人だなと思います。隙も弱点もてんこもりのノリのいいお姉さん、ってそれだけで微笑ましいよね。青少年の情操教育にぜひ。

昭和元禄落語心中・5話。素人芝居を控えて菊さんは憂鬱であり、何かにつけてやだよやだよと気が重い。こういう不活性な感じはいかにも八雲のキャラっぽいというか、スターターの遅い感じはシンさんとは好対照ではある。しかしやっぱり根っこん所が演劇の人、いざ舞台に在れば人の目を集めて自身もそれに高揚する。…でも何ちうか、本人も思っているように落語のアビリティとはちょいとズレているような気もします。あるいは目指すべき落語の姿に齟齬がある、のだろうか。ともあれ、菊さんにとってはかなり大きなイヴェントとはなりました。

白浪五人男、というか弁天小僧。素人芝居っちゃこの題目って印象はありますが、菊さんの匂い立つような色気を出すにはうってつけである。いやあ、この一連の芝居と演技は…すげえな石田彰、と改めて感心したりした。これはまた相当稽古したりしたのではあるまいか。居直って本性出した辺りの声の豹変振りとか、聞かせどころにも程がある。そして山寺宏一を筆頭にサポート役の各声優さんも素晴らしい。うーん、実に眼福というよりは耳福でございました。

さて。みよ吉さんとの関係性は依然としてしっぽりという感じだが、いささか不安定というか危うい雰囲気もある。みよ吉さんの「菊さんはそんなんじゃない」という台詞とか、ね。それがまたこの人間関係の魅力ではありますがね…。