だがしかし/昭和元禄落語心中/オルフェンズ

●だがしかし・3話。前半は暑い中熱いブタメン喰ってそのあとプールに行くという…まあ、この話らしいプチお色気含めたお話。時期的にあのガマン大会みたいな描写が「…うんまあ、暑いんだろうなこっちは寒いけど」みたいになっちゃってんのが少々残念かもしれんが、女子どもの水着のためとなれば別に割とどうでもいいかもしれない。しかしサヤ師、ちちはそこまでぺったんこじゃない上に寸胴気味なのな。もうちょっとガリモデル気味かと思ったら案外幼児体形。いや、いいと思いますよ?

後半はボンタンアメとセブンネオン。ボンタンアメは駄菓子と言っていいのかちょっと微妙な気もする。そこそこ古くからあってその体裁を守ってるってのは駄菓子っぽくもあるか。あとセブンネオンってのは知らんかったなあ。ほたるさんがこの物件についていくつかの薀蓄を披露されてましたが、どれもおもろさとどうでもよさが絶妙のバランスで、いかにも一口知識っぽくてよござんした。そうかあ、あのアルファベットは意味ねェのかあ…。

昭和元禄落語心中・3話。OPはこれが正式版かしら。オシャレでカッコよくて、かつどこかひやりと冷たい感じのする雰囲気はこの作品の持ってゆき方の暗示でしょうか。てことで本編は菊比古と初太郎、その青春部分のお話。菊さんは相変わらず落語と、それを体現したかのようなシンさんに対してアンビバレンツな感情を持っているのだが、しかし両極端であるからこそというか、仲はやっぱりよろしい。ラストシーンのみよ吉っつぁんによってこの関係がどうなるか、ではありましょうが。

時代が時代だけに浮世離れした話ばっかではなく、戦争の影なんてェもんも画面に登場してくる。それが主眼ではないからってのもあろうがあまり過酷な描写はなく、八雲本人もいうとおり戦時下の生活としてはかなり恵まれた方ではあろうね。むしろ彼ら自身よりも、落語という大枠そのものが戦争によって疲弊してしまった、そういうことが重要だったりもするだろう。…検索して知ったが、戦時中に軍部により一回、戦後にGHQによりもう一回禁演があったのね。なんちうこっちゃと思うが、逆にそんなけ落語が娯楽に対し大きなウェイトを占めていたとも言えるんじゃなかろか。知らんけど。

女性作家だからだろうか、キャラ個人間の関わらせ方とその演出が繊細かつ濃厚で見てて胃にもたれかけるくらい。菊さんとシンさんの指切りというあの絵面だけでも濃いのに、一人寝の菊さんが自分の小指見て思い出す辺りとかもうねえ。あと菊さんの二人の女性遍歴、この生っぽい距離感もアニメとしちゃ新鮮だなあと思った。普通もうちょっとドラマチックにしたりしそうやんね。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ・16話。お嬢様とフミタン、そしてギャラルホルンとコロニーの虐げられた人たち。社会の二層構造はいろんなスケールで悲劇を生んだりしている。どうやらこの社会構造は、思いのほか大きな要素であるようだ…この物語と、特に「バカでまっすぐな目過ぎる」お嬢様にとって。そんなレイヤからちょいと離れ、ノブリスとテイワズの上んとこもゴチャゴチャやらかしているという状況。タービンの兄貴が言ってた「おやっさんって怖い人」という側面が垣間見える状況でした、かしらね。

てことで予想通りフミタンさんの退場話。オーソドックスな「改心したスパイの悲劇」ってなノリだけど、そういう要素を積み上げてった上でのもろもろのネタがなかなか効果的でよろしい。最後に挿入される「絵を見て泣くフミタン」とかね。あと狙撃されてお嬢様に覆い被さったフミタンの辺り、芝居の付け方がかなりねばっこくていかにも見せ場って感じでしたな。

放心のお嬢様をムリクリ引っ張ってゆくミカさん。(それは)「もう、フミタンじゃない」という物言いがすっげえミカらしくて千両やなあ。根っこの部分でどこかフツーの人とはコードが違う、って感じがよく伝わってくる。これでアイスハートの無機質人間じゃない、ってのが魅力ではあろうねえ。