おそ松さん/ルパン三世

おそ松さん・13話。新年一発目でどうかと思ったら冒頭「実松さん」はなんかすっげえリアルにイヤな感じの実録・ダメ社員モノでこっちの精神力をケズりに来るという構成。実は六つ子のおっさんでしたと思わせてホンマの実は一人のダメ男の歪んだ妄想でしたという「奇妙な物語」の骨子もともかく、会社でも世間でも塵芥のように見られているおっさん、という描写が実に生々しくて胃の底に重いものが残ることで。上司の「腹は減るんだ」という台詞とか、一言で効果的過ぎるわよなあ。

その次のじょし松さん、世間でも割と溢れているおそ松性別変更ネタを本家本元がやらかし、それも(当然ながら)ダメな方向に突き進むというこの作品らしい話。これも上記「実松さん」と同じく、エエ歳した女子どものギッスギスぶり/傷のなめあいぶりが生々しく、これ6人分のキャラと台詞を構築する(イヤな)技量が光る一品。そのあとのスタンダード六つ子喧嘩話も含め、クズい人間性をかもし出す脚本が上手すぎる。脚本はレギュラーの松原秀横手美智子。…どっちのテイストだろうなあこれ。

2クール目ってことでOPとEDが変更。双方とも前期のノリを引き継いだ感じでよろしい。つーかにゃーちゃん、OPでもなんかセンターっぽい位置占めててこれ見たらレギュラーかと思っちまいますな。今回モブで山下七海居てたし、来週辺り出てくるのかも。

ルパン三世・13話。シリーズでもそこそこ定番の脱獄話。前半で何度か脱獄の様子を見せておき、「なるほどいろんなパターンで脱獄するのを繰り返すという構成か、脚本もめんどうだろうな」と思わせておいて、それらの脱獄失敗シーケンスがそのままラストの伏線となっている…というなかなか凝った構成。ルパン対策を施す銭形がちゃんと、視聴者側から見て手抜きやマヌケじゃないように造形した上でそれをひっくり返すルパン、というのはハードルが高かったことだろう。細かいことは言わず「上手いこと作ったなあ」とフツーに感心しましたよ。

最終的にはルパンの思惑通りということにはなったが、中途のシーンで壁をはさんで語り合うルパンと銭形ってな絵はちょいと情感あって悪くない。上記のとおり決してヘッポコなキャラではない銭形だけど、こういう人情っけた所もあるのが本作のバランス取りってワケですな。

さて。ニクスさんがちゃんとお父さんしてるとこを挿入して「あ、ここで円満退場ってことですね」と判らせた上で、なんかよく判んない怖そうな人を見せて第2クールの顔見世とするようなシーン。井上和彦声ですっぱだかでイタリアで、となると柱の男…ってなヨタはともかく、何でしょうねこの人。今までの話に伏線でもあったかしらん。あと今回作画監督の一人が湖川友謙。この人も連綿とシゴト続けてはるなあ…。もう大御所も大御所なのにねえ。