オルフェンズ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ・9話。先週の予告で「ヤクーザガンダムという不思議な世界に行くんだろうな」ということは判っていたが、それにしてもここまでストレートな任侠モノになるとはちょいと思わなかった。それは杯交わす兄弟仁義の儀式だの石塚運昇声の親分だのという見た目だけのことではなく、一家を支える芯柱とはどういうことかという話など、その精神性においてもである。特に親分がクーデリアお嬢様に話す内容、「アンタのやってる火星独立運動はつまり新たな戦争を生むってことだ」から「だからここはひとつワシらに諸々のゲタを預けてはどないだ」までの流れがすっげえヤクザくさい。無論お嬢様やミカ、オルガの「人」を見込んでのことではあろうけれど、多分ゴタゴタに伴う利権等も見据えての話やよね。そういう自然な二面性のありかたが、いかにも裏の世界のボスおっさんっぽい気がする。

あと今回は大人と子供。この作品に何度も出てくる通低テーマだけど、テイワズたちの大人と鉄華団年少組の子供をスペクトルの両端としてその真ん中辺りに居るオルガたち、ってな図式がかなり鮮やかに表出されてる回だった。そしてガキどもの中にあっても、単に幼いだけではなく「更に子供な奴らの為に菓子を取っておく」という、あー彼らは彼らなりに人生の先達たらんとしているのだなというのが判る構造なのがいいと思った。

…ま、ここまでキッチリと兄弟杯を交わすことになったってことは、それを護るという方向かあるいは離反するドラマとなるか、どっちに進むにしてもボディに効く話を作れそうではあります。人と人、集団同士の関係性ってのはダイナミックであるほど見ごたえが出てきますしね。…フミタンの関係性はどうでしょう? 何となく「スパイ的存在から更にお嬢様側への裏切り」みたいな雰囲気が見えてきましたけど、それはそれでヤバいフラグですよ? ねえ?