コンクリート/うしおととら/ワンパンマン/おそ松さん/ルパン三世

●コンクリート・レボルティオ・4話。戦前から戦中を経て戦後にわたり語られるは怪獣とその対立者。つまりゴジラやな! と思ったけどそれ以外にもウルトラシリーズ、特にウルトラQ的な雰囲気も濃厚である。かてて加えてウランっぽいアトムやらスパロボっぽい鉄人やら5人のレンジャーやらバイク乗り仮面やら、いろいろと出てきて豪華やなあ。…そして普通の人たるジローさんの普通じゃない秘密が語られ、ついでにきっこさんがガッカリするという話。

怪獣はなぜ日本を襲うのか、そして誰がそうさせているのか…というまあ、怪獣モノの定番メタお題のエピソードでもある。超人課と超人たちの存在意義のために必要となる仮想敵というネタは、単にそれのみにとどまらずキナ臭い政治劇のカリカチュアっぽい気がするのは、脚本のおっさんへの偏見でしょうかしら。

今回は前後編の前編だし、来週はこの続きだろうなとは思います。その分量にふさわしいドラマとドラマチックの大盛り加減はなかなかよし。一見人畜無害っぽい青年の声が飛田展男だったのであーこりゃ裏があるわなーと思ったらその通り裏があったのでなんか安心する。…しかし飛田さん、いろんな役を経てあのトシで、それでもなかなかの軟弱青年をヤれるってのは凄いなあ。無理して若者声出してる感じが皆無だもんよ。

うしおととら・17話。槍に魂を乗っ取られ暴走するうしおさん。何故かカムイコタンに向かう彼を迎え撃つはお父んとこの坊主どもと伝承者候補たちと、あとヒロインズである。「髪が強大な力の源である」ってのも、今見るとすごく古典類型な要素だねえ。それを無力化するのに関わった女性が一櫛ずつ彼の髪をくしけずるという、各々の役割を持たせてあるってのも類型っつーか演劇っぽい。女子会がちょっとツンケンした雰囲気になるのも、まあ別の意味で類型だよね! 胃が痛いね! すぐ仲直ったけどね!

槍を創造した男・ギリョウさん、槍の鋼に血を練りこみ口から火ィ吹いて鍛造するというおっそろしいイメージで登場。確かにこうもするわなあという彼の履歴ではあるが、それにしても怖い。こういう過剰な描写がこの作品にはよく似合う。今回であれば暴走して子供を襲いかけたうしおさんのシーン、すんでの所で避けて再度走り出す辺りの足の開き方がすげえもんな。ほとんどギャグなポーズだが、それだけにとんでもない勢いであるってのも判る。

ギリョウさんに宮野真守だけど今んとこほぼ絶叫してんのでよく判んない。イケメン声の人だけど演技のレンジも広いし、あーそういうキャスティングもアリだなーと思った。

ワンパンマン・4話。高木渉声のヴィランハンマーヘッドさんがそのハゲ頭軍団を率いて暴れ回る。とりあえず静観しようとしてたサイタマさんであるが、ハゲの存在を悪に貶める野郎どもとなっちゃたまんねーなーってことで出張ってくるのである。一応所期の目的は果たしたものの、そのあと出てきたソニックというなんかはやい人にからまれたりして、まあそんな話。

ここに至ってやっとというか、サイタマさんは世間に隠れすぎてる自分自身の改善策へ歩み出す。ヒーロー試験に合格して名を上げようってんですが、やっぱり何となく目立たないまま終わってしまうという匂いがプンプンしますなあ。趣味を脱してちゃんとヒートーやんなさいと導く役割のジェノスさん、なんつーか実に後輩気質でかわいいよね。この人も人生に対し、サイタマとは別方向で器用そうじゃないのがなんかいいコンビだ。何にせよ、理解者が居るってのはええこっちゃね。サイタマさん的にもね。

なんか急に出てきてそのまま倒されてついでに賞賛されてる無免ライダーさんがちょっと面白い。よわっちいのに何故か大衆の人気があるのは何故だろうね。あと何だ、ライダーさんがハンマーハゲんとこに自転車で駆けつけ、停車してスタンド立てて鍵かけてタタッと近寄るまでの一連の動き、横位置フィックスの構図でキッチリと見せるあの間がすごく良かった。あれ、何気にすごくエエアニメーションやよね。ちょっと繰り返して見ちゃったよ。

おそ松さん。4話。前半はおそ松6人兄弟の両親登場。離婚の危機にあってかーちゃんにひきとられるのは誰か、とまあそんなニート的にオイシイ役を巡って兄弟が実に醜い争いを繰り広げる話…ってな程には身も蓋もなくはなく、各々テメエの長所を(下世話ながら)自覚しつつかーちゃんにアピールするというコメディである。まーこういうシチュだとツッコミ役のチョロ松がビンボ籤引くやろなあと思ったら割とそんな感じ。それでも最後に結構効果的な反撃を繰り出す辺り、チョロさんもおそ松兄弟なんだなと思いました。

後半はトト子ちゃんオンステージと見せかけてチョロ松の野望。前作や原作と同じく、トト子ちゃんがちゃんと喰えないお嬢さんでなかなかよろしい。アイドルのマネージャになりたいとか抜かしてたチョロ松さんですが、これで良かったんですかね。…トト子ちゃんに呼ばれて次々やってくる六つ子の辺、テンポ良く進むギャグが楽しくて感心したりした。

この子にしてこの親ありってな感じのちょいゲス両親に、井上和彦とくじらというなかなかワケ判んないキャスティング。エエトコで最大効率的にダメっぽい親父の井上さんも然りながら、割と普通のテンションでコメディこなしてるくじらさんというのはかなりレアなんじゃなかろうか。その辺、見ててなんかおもろかった。…あとアバンのシーン、どうにもシュールなイヤミとダヨーンの行動を描写しといた上で、トド松に「…練習してる…」とボソッと言わせて一連の行動を解題するという、あの構造は(意図してんのかどうかは知らんが)すごくワシのツボに嵌った。練習なんだ…あれ。鈴村イヤミの絶妙な「シェッ」「シェーーー!」の演技、そしてこのコントシーンがラストの極大シェーに繋がる流れ、どれをとってもしょーもなくて素晴らしい。なんかヘンな感心をしちゃったよ。

ルパン三世・4話。ある街の悪い自警団さんと歯痛の次元さんとの話。「意に沿わぬヤツを取り囲んで銃撃し、でも殺さない」という妙なボスですな。これ、別に殺すようなヤツでもあんまし問題ないと思うんだけど…何らかの規制かしらね。おかげで(「ゲームは難しいほど良い」みたいな台詞フォローはあるものの)ちょいとムリのある展開になっててそこは気になったりする。ラストの次元さんの銃を知ったればこそな活躍はギミックとして面白いんですけどね。銃に関しては右に出るものがないという、戦闘時にはフツーに流されがちな能力が前面に出てきててよろしい。

類型としてはたまにある「次元と女」のカテゴリに入る回だろうか。架空の街も悪人たちのキャラもどうも現実感が薄く、それ自体は実は大いに原作マンガ的でもあっていいのだけれど、そうなるとちょっとカスれたようなドライな雰囲気が無いのがもの足りん気はする。なんかこう、尖ったところが無いので平板なまま終わっちまった感覚というかね。あと女医の人が最後に髪を解いてメガネをとるってのがすげえクリシェで、ワシ的には別にそんなんなくてもなとは思うがそれは別の話。うんだってワシメガネ好きだし。メガネ。

とまれ、歯痛だってのに痛み止めだけ貰って去ってゆくのはルパンっぽいハズレ者っぽくて却って良し。アウトローは刹那的よね。そういや次元さんって歯痛が定番ネタだっけか? そういうとこ拾ってくるのはちと嬉しいな。