ニンジャスレイヤー/すべてがFになる

ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン・最終話。フジキドVSラオモトの決着。ラストバトルだけあって今までにも増して作画リソースを消費した話になってて最終回っぽい。ナラクと(まあ一応)融合することで、4:3の画面構成が文字通り壊れ、そしてニンジャスレイヤー自身の姿も原作準拠のものとなるという演出がサプライズ、ってとこか。…常に片足上げてる珍妙さと激しいアクションの並立がこの作品らしいっちゃらしい。んでまあ、原作どおりネオサイタマ炎上とザイバツシャドーギルドの暗示を持って一旦のシメ…ですな。

●総評。15分でネット放送という割とどっちつかずの放送形態は、どうも残念なところでもありニンジャスレイヤーらしいとこでもあり。この形式による楽しさ面白さもあったのは確かだが、やはりいっぺんはカチッとした30分枠でのパッケージも見てみたいなってのが正直なとこである。まあその辺は企画のバジェットとかのカラミが問題であり、結果としてこの形式が多分現状のベストではあったのだろうけれども。…そうねえ、これから先一番現実的なのはサブエピソードを外伝的に30分で、って感じだろうかねえ。

原作読んでたのもあり、ワシ個人としてはなかなか楽しめたシリーズであったけれども、さて世間的にはどうだったのか。何らかの形でメディア展開が続く程度にはなってってほしいもんだなーと思うんだ。…ニンジャスレイヤーのことだ、こうしてる間にもいきなりアメリカの弱小プロダクションでしょーもない実写をやらかしたりという、面白いことやらかしそうな気もするんだけど。まあこの形式での第2部続編は…ムリかなあ。まず尺的にネオサイタマ編と比べてもすっげえ長いしなあ…。

●新番組・すべてがFになる。ベストセラーミステリのアニメ化で神戸守監督、ですか。冒頭のポエットな回想シーン早々に無伴奏チェロ組曲第1番(曲名は検索しました)、執事付きのお嬢様大学生が赤い赤いスポーツカーに乗ってゼミに来て逆光の無気力助教授と衒学的で浮世離れした会話をし、研究者版レクター博士みたいなお嬢さんに会いに行こうという話になる、という…うわあ、これはカユい! カユいぞ! 

てことで今んとこ事件らしい事件は発生していないが、このすっげえ頭良さげな人々の会話のみで場を持たせようという、そういう魂胆の第1話である。なんつーか…最近はその傾向もゆるくなってるけど、すっごいノイタミナっぽいアニメだなーと思いました。OPからしてお洒落さんだし、登場する主人公たちはどいつもこいつも「変人にして聡明」であり、それも共通して精神構造が似通っている。もうパッと見ィで「あ、これはすっごく偏った世界と人物の作品だ」と判る、そんなアニメですねえ。…タイトルが16進数がらみだったりEDの絵がセル・オートマトンライフゲームだったりってことは、そういう方向性の世界なんだろね。「研究者」の頂点がプログラマってことのようだしなあ。

…実際ワシ、こういうのはそれほど嫌いでもないし、なんかかんか面白くは見られそうな気がしますが…あまりにも突き抜けちゃうとちょい苦しくなるかも知れず、それはご承知願いたい。とりあえず見てみよう。あーそうだ、助手役っぽい感じの西之園さんですか、キャストの種崎敦美の演技がなんかいい。演劇的なゆったりとした語りでありつつ、感情表現にちょくちょくナチュラルなとこがあってちと目を引いたりしました。よく存じ上げない方なので判んないけど、この人の特性なのか音響監督の手腕なのか。