ジョジョ

ジョジョの奇妙な冒険・最終話。いろいろあってオカマっぽくなった最終形態ディオさんを承太郎さんがブチのめし、ジョセフ爺さんがちょっと茶目っ気見せた後に大団円に収束する話。ここまで割と仕掛け満載で戦っていた状況において、最後の最後は「てめーは俺を怒らせた」でギミックもなくただ拳の勝ち! で終わらせるってのはいろいろと面白い。

それにしてもジョセフの爺さん、連載見てた時も思ったけどほぼ完全死亡な状況から復活して開口一番がディオ復活のフリという悪ふざけ、ってのはすごいよなあ。血を吸われつくした時のあの魂描写、いっかにも「物語として完全退場ですよー」というフラグを立てておいてのあの行動。荒木センセがどこまで意図したもんか判らんが、でも確かにジョセフらしいとも思う。

ラストは空港で軽口言い合いながらの別れとホリィさんの復活。流石にここまでずっと紡がれてきた物語だけあって、いやあなかなかジンと来るものはありますよ。バン! と背を向け、シリアスな顔してそれぞれの方向に歩いてゆく絵面がかっちょ良い。

●総評。1部2部と来て満を持しての第3部。ファンも多いし話もデカいこのアークを、ここまで描き切った制作スタッフの能力も然りながら、コンテンツとして立ち上げて成立させたプロデュース側の功績も大きいと思う。これ絶対大変な企画だよ。あくまで1部2部の成功あったればこそというところもあるだろうがにしてもだ。こんなけの長いシリーズってことで多少クォリティに波もあるが、基本的に結構な水準で「ジョジョ」としての物語をお出しできてるしなあ。

てことで全体のデキにさほどの文句もないが、文句と言うよりは「ちょっとかわいそうだな」と思ったのは原作準拠さをあまりにも求められてるであろうこと。今の目から見てヘンな所はかなりあるんだけど「そこを修正するなんてとんでもない」ってファンは一定数…それもめんどくさいくらいに居るだろうからなあ。そういう縛りの上で、毎週三十分のアニメフォーマットで揃えてみせるというのは面倒な作業であったろう。OVAのようにロードローラータンクローリーにする、ってのも正解の一つであり成功ではあるが、この地上波アニメではそうもいかん。見比べると結構再構築してたり追加削除してたりしてるんだけど、それを感じさせない仕事ぶりはホンマにすげえと思う。

あとキャストは相変わらず贅沢なんだけど、その中にも「へえ…この人こんな演技もイケるんだあ」ってな意外性もあったりしてよろしかった。音響監督(と監督)の手腕だろうねえ。子安さんディオが大物感あっていいのだが、中でも無駄無駄ラッシュの口跡のキレがすごく美しくてやっぱ大物やなーと思ってしまう。あとカプゲーから唯一続投の速水ヴァニラさんも素晴らしかった。もう結構なトシなのにねえ。

てことで、ええと。第3部までこんなにシッカリアニメ化していただければワシとして大満足でございます。これを受けて4部5部と進むのかどうか判らんが、うーん…そこまでコンテンツの牽引力が持つかどうか。6部から先はワシ見てないんで、アニメで見てみたいなとは思うんだけどね。