自転車の修理と町の風景

●自転車の後輪辺りからなんかカラカラと音がするようになってちょっと不安だったので、自転車屋に持ってったら軸かベアリングが劣化してて取り替えなきゃならないかも、と言われる。おいくらほどかかりそう? と訊いたら最悪六千円の総とっかえ、との由。六千円かあ…この自転車ってもう買って十数年になるが、とにかく安いのをということで女性用というかほぼ子供用に近いものであり、買った時の値段もそのくらいなのであった。流石に乗りにくいのでサドルパイプは長いのに交換してあるが。その値段だったらもう新しいの買っちゃうという手もあるが…ま、しかし、この日ここまで付き合った相棒だしね。いいやそれでやっつくんなィ、と修理をお願いする。

二時間ほどかかりますと言われたのでそこら辺をぶらぶらして時間を潰す。普段は自転車で通り過ぎるこの見慣れた町並みも、のんびり歩いて通ればまた違った風景に…などと紋切り型のエッセイみたいなこと思いつつ、いやしかし待てこの貸し店舗のシャッターって何の店だっけ? あーそーだ、ここはコンシューマゲーム店、所謂ところのファミコンショップだったっけか。この界隈で最後ここだけ残ってたけど、そーかー…とうとう無くなっちゃったか…。ゲームショップなんてェのはワシの感覚からすると新規参入業種ってなもんだけど、もう既にして世の中から衰退しつつあるんだなあ。そらワシもおっさんになっちまうことだよ。とまあ何となくどんよりする。

自転車屋に戻ったら、幸い店の奥にパーツがあったのでそれ使って修理しました、三千円ですと言われたのですぐにどんより気分から恢復する。はじめ下げといてあとでポーンと上げてやると効き目が倍になるねやな。現金なものであるわな我ながらな。