ヤッターマン

夜ノヤッターマン・最終話。ドクロベーがラスボスであることを確認した後、改めて彼との決戦を仕掛けるご一統。しかし今はドロンボーである彼らのことを聞いてくれる人は居ない。ならば、ここで、真なる新なるヤッターマンを宣言すればよい。ならばってんでようやっとガッちゃんアルエットがヤッターマンとして立つ。しかしそれは同時に、レパードたちのドロンボーとはもう一緒に居られないことを意味するのであって…っちうね。

ドクロベーを倒して民衆も立ち上がり、一応大団円ではあるものの、悪役主役ヨ! としての立場をもちゃんと得てしまったレパードちゃんという絵面はいささかのビターさもあったりする。ご本人が健気なお嬢ちゃんだから余計にねえ。ここでスパッと終わるってのが美しいってのも判るけど、何とかこのドロンボーたちにはすくわれる道があるとエエなあと先が気になったりもする。新生ヤッターマンのお二人もどうすんだろね。レパードちゃんたちと戦っていくんかしらね。

最後の戦いにヤッターワンが出てくるのが古いファンへのサーヴィスですな。ドロンボー側のメカ・ダイドコロンもあれ、ひょっとしてオリジナル原作アニメに出たやつかなと検索したら1話のメカだった。そういうのはうれしいこっちゃね。作画もラストにふさわしく、派手に動き回り目にも楽しいアクションだった、のだけれど、明らかに絵が足りてなくてツギハギでしのいでるとこが散見されてたのは残念というか何というか。すっげえ凝ったエフェクトとダイナミックな作画の目白押しだったし、そらまあ落とすわなあとか思ってしまった。現場の苦労がしのばれます。…「ポチッとな」んとこでオープニングの絵そのまんまのシーンになるという演出があったんだけど、これも絵が上がってこなかった苦肉の策なんかなあ。これ単体ならエエ演出だと思ったのだが。

最後の最後に小原乃梨子カメオ出演あり。流石にお声に歳が感じられますが、お元気そうでよろしかったです。流石に三人みんなはきびしかったか?

●総評。今更ヤッターマンのリメイクってことでどうすんのかなと思ったら、かなり大胆に視点と構造を変えてお出しされた「ドロンボー側の物語」。今の時代で彼らをデザインしたらどうなるの、という一つの回答としては結構エエんやないでしょうか、という三悪のキャラがまず良かった。上でも書いたけどまた彼らの活躍を見てみたいなと思うくらいには、お気に入りのキャラになりましたよ。しかし再登場となると完璧に悪役として登場せんならん可能性が高いのがなー。レパードドロンジョちゃん、なまじ健気でエエ子なだけに対立側の悪役を肩に乗せるのは忍びないんよなあ。ヘッポコ悪役さんの諸国漫遊記みたいなスピンオフ、作ってくれませんかね。

ただまあ、作品のシリーズ構成全体からすると少々舌ったらずな感じも否めなかったなとは思う。大元の原作アニメのように長期でやるならば、フォーマット通りのお約束構造も作りやすかっただろうけど、1クールではちょっと尺が足らんよね。根幹となる話と枝葉のフィラーエピソードのバランスが少々悪くて、どっちつかずの中途半端な全体印象になってたなって気がする。具体的には道中のランダム話がもっといろいろありゃよかったなというか、新たな土地に来る→ヤッターマンが悪事やってる→ドロンボーの活躍→ヘッポコカマせつつ解決して退場、みたいなマンネリ構図を積み重ねてくのを見たかったなというかね。ま、この放送枠のサイズでは難しいことだけど。

キャスティングは誰も新鮮でよろしかったです。特にキタエリドロンジョちゃんががんばってるお嬢さんっぽい演技で微笑ましくてよい。そしてホリのドクロベーよね。ここまでの台詞量でちゃんと演技とモノマネの両立を達成してんのは素直にすごい。最終話、巨大化してエフェクトかかったら更に似たもんなあ。これでもっといろんなアニメに出てもエエんとちがうか、とか思った。

バジェットの制限もあるんだろう、作画的には波もあって安定しない作品だったけど、いろいろ面白いとこも多くて良かったっすよ。うんまあ、変化球ではありましたがね。て感じ。