ヤッターマン/弱虫ペダル/ジョジョ/ユリ熊嵐

夜ノヤッターマン・4話。途中の村で出会った若夫婦を救おうとするドロンボー一味、しかし敵幹部っぽい人が出てきてあえなく失敗敗退する話。…なんだけど、その若奥さんが妊婦だったり旦那に降りかかる苦難が赤紙だったり夫婦の(止むを得ない)裏切りと自滅が描かれたり、なかなかにこう…ディテイルが生々しく重たいな! 湯けむり温泉回と見せかけてのこの仕打ち! 流石夜ノヤッターマン! …いやマジで、これを解決するにはヤッターキングダムそのものを瓦解させるしかないのではないか。あるいはそうしてもこの普遍的な貧困は解決しない可能性もあったりして…。ううむ。

冒頭のインチキ商売とか物語にびみょーに関わるメカデザインとか、その辺に本家へのオマージュがあってちょくちょくニヤリとさせられますね。前も言うたけど、特にヤッターマン側のヤッターパグのデザインとか、いかにもありそうな感じでなかなかよろしい。フレンダーっぽい犬やなんかミツバチベースっぽい奥さんのデザインなど、他のタツノコ風味もあったりね。…あのゴローという敵幹部はなんか元ネタあんのかな。

敵幹部ゴローに檜山修之、薄倖の若夫婦に松本保典能登麻美子と結構な豪華メンツ。のとまみこさんの奥さんとか、最後ちっとも救われないどころか自暴自棄のヤッターマン礼賛に至るというどよーんとした役割ですけど、こういうのも上手い…っつーか最近そんなんばっかりのような気もする。あと今回もというか、作画はやっぱりすごく良くてですね、特にゴローとトンズラーのアクションシーンはブラー過多でシルエット重視の「いい絵」でしたな。このシリーズはちゃんとトンズラーに見せ場があるのがうれしいね。

弱虫ペダル GRANDE ROAD・16話。鳴子退場を受け、一年二人は決意を新たにして燃えたり頑張ったりする。そして今回のメインキャラとして出張ってくるのは今泉さんの方である。まァね、残りもそこそこあるとは言え、主人公の小野田クンはやっぱゴール前でメインもらうようなペースにならんとね。てことで、チームのエースとして今泉さんは箱学の福富さんと競り合うのである…ってな話。

一年の意外性、レースにおける突然の成長。これらのブーストを以って、今泉さんは福富さんを凌駕するような走りを見せる。回想シーンも貰ってメインキャラとしての定番なお膳立てそのものですな。まあこのままゴールまで突っ切るってワケにもいかんのは確かですが…自分で「このまま状況が変わらなければ!」なんて丁寧なフラグも立ててるしね。

後ろの方ではマキシマ東堂ペアがペアらしいことしてたり、今までずっと雌伏してた京伏が出てきたり(石垣さんは出てきたとたんに退場)してたりして、まだまだ他にもドラマはありますよという描写。そん中で小野田さんは冒頭からこっち出番を見せないが、それ以上にマナミさんはどうしてんのか。早く画面に映らんと、出番なくなっちゃうよ?

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・28話。アヌビス神のスタンドの巻。今回でチャカを済ませてカーンとのバトル開始まで来たし、これは次週でカタが付くだろうな。冒頭にオリジナルの描写入れて尺調整してんので、バトル自体は間延びもせわしなさも無く収まりそうだ。このオリジナル要素、サンの時もそうだったけど、本編の雰囲気と変わらずすごくしっくり繋がっておられる。確か花京院の目の話って原作では回想で済ませてましたっけね。上手いもんだ。

さてメインバトル。ポルナレフとアヌビス、双方ともに剣技メインのスタンドという噛みあった一戦。今回細かいトコでよく動いてて、かつ濃い目の絵柄がフィットしてて見てて気持ちよいな。太い石柱の向こうから一気に斬りかかられるというダイナミックなシーンとか、夕景の沈んだ色調と剣のギラッとした透過光の対比がカッチョいい(デジタル処理でも「透過光」って言うのかは知らんが)。剣針を飛ばす取っておき必殺技の辺りはカット割とSE、BGMも相俟ってスゲエ盛り上がってましたよ。ここでこの充実したバトルを提示し、そっから後も更に更に真正面から押し込んでくるというんだからまあ…アヌビスのエピソードってスゲエんだよな。…んでオチがアレなのがまた、ねえ。

上でも言うたけどこの作品、何気にSEがすごく良いよね。今回ならアヌビスの諸々のSE、冷たい鉄の雰囲気がよう出てて感心する。あと床屋のカーンさん、「ソースカー?スンマセン」んとこですでにちょっと声が怖いのがなんかおもろかった。この段階でもう魅入られてたのね。あと大川透のナレーション、一瞬ながら久々の復活。アニメのシナリオも律儀なことだなあ。

ユリ熊嵐・5話。冒頭、母親およびクマと一緒に写真に写る幼いクレハさん。今まで散々見てきたあの写真、トリミング前はクマが居たという…相変わらず意表の突き方が上手い作品ではある。てことで、前回のるるさんの事情を受けて今回はギンコさんの事情…の、それでもこれは一部だろうな。それにしてもギンコさん、クールキャラかと思えば実はあの無表情の裏であんなこんなえろ妄想のお人だったとはねえ。「デリシャスメル」とか言うてた度に、ああだったんだろうなあ。…なんか知らん戦場みたいな場所で討ち死にしかけているギンコさんに対し、スキを共有する幼いクレハさんのシーン、あの砲弾持ったクマの絵はあれ、ヴォイテク伍長かしら。

るるとギンコ、二人の立ち位置がかなりクリアなものとなる。少なくとも、現時点までのモチベーションは判りやすくなりましたね。こっから先はダイナミックな変化があるだろうけれども…っつってたら案の定、今まで割と一枚レイヤが上の位置に居た彼女たちがとうとう熊ワナにかかってしまいましたよ。「透明な嵐」としての、かなり陰湿で構築性の高いイジメ描写がどうにも生々しいなあ。透明になるか人を喰うか。イジメの同調圧力に流されるか、それとも自立して他者への愛を宣言するか。ってとこかしらん。

ユリ裁判んとこのせくしぃさんが言うように、「身の破滅をもたらす」としてもスキに殉じると述べるギンコさん。ま、そう言うからには多分、本当に身の破滅を味わう…悲劇的な状況に出会うことになるんだろうな。悲劇の中に殉じてゆく純粋な人、ってのは幾原作品の主要モチーフやからねえ。クレハさんがそれに気付くのはいつのことか。あとやっぱし、ユリーカ喜久子さんは一人図抜けてオトナ的な存在感がデカいな! 早くがうがう言えばいいのに! あのトシで!