ジョジョ/ユリ熊嵐/アルドノアゼロ

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・26話。音を頼りのサスペンス話・後編。アクセサリを使って足音を偽装したり一時的な浮遊によって移動をごまかしたりと、限定条件下の切羽詰ったアクションが楽しいお話である。そういうじりじりした勝負ののち、イギーを大膂力で相手にブン投げてどや! という力づくで解決する対比もおもしろい。ンドゥールというキャラの強さ不敵さがよく描写されており、対決シーケンスは実に息詰まりますな。

新たな敵シリーズとしてこのンドゥールの強さ、続いてのオインゴボインゴの不気味さを持ってくるってのは印象的で効果的。ま、次回以降のオインゴさんとこは兄ちゃんのへっぽこ加減のせいで全体的にバカコメディになっちゃってんだけど、あの奇妙極まりないコミックブック絵を連載で初めて見たときには「うへえ、やっぱこの人天才だわ」と舌ァ巻いたもんですよ。ああいうセンスはちょいと無い。

イギーのふくえんさんは熱演。アッフォオオオーンとか特徴的な叫び声をキッチリ演じてるのは、この作品なりゃこそとは言え大変ではあります。「いぎー」つってたね。…あとやっぱ、ンドゥールさんの自殺方法として頭ブチ抜くのはちょっとどーかなーと、見てて改めて思いましたけどね。ブチ抜いた後けっこー喋るもんなあ、この人。

ユリ熊嵐・3話。今回もまたいろいろ錯綜しているように見えるのだが、何かこう…一皮二皮むいたら結構単純なお話なんじゃないかしらって気もする。とにかくまあ、悠木声のミツコさんが今回のフォーカス、いいんちょキャラとアグレッシブなユリキャラとのギャップで魅了しつつ銃撃されて退場するまでの話。とはいえしっかりと死亡後の状況が出てきてなかったり、撃たれた描写が腕章が千切れてるとこだけだったりと、ひょっとして何らかの形で再登場もあるかもなって感じの演出であった。とか言いつつ、このまんまフツーに出てこなくなってもまったくオカシナイのが本作ではあるけれど。

物語当初より主人公・クレハさんの対立存在っぽく出てきて、でもどこかその概念にそぐわないような行動をとっていたクマ二人、るるさんとギンコさん。今回もミツコクマさんにクレハさんが襲われたとこでユリ熊裁判を開始、人を喰うのなんのといいつつやっぱりクレハさんを助けることとなる。何だろうね、この二人は他のクマたちからクレハさんを守るクマ、ってことなんだろうか。…あと「透明な嵐」がそのまま出てきたが、それはすげえ純度の高いクラス一丸となっての村八分イジメでした。同調圧力により色づくことを許されない人たち。ユリでありクマであるってのは、それだけで悪なのか。悪こそがクマであり人なのか。まいいや。

クレハさんのお母さんがユリーカ先生と同期であり懇意であったということですけど…ううん、どう考えてもこれ、お母んをユリーカさんが喰ったとしか思えまへんよね。そらまあ井上喜久子声でマトモなおばはんであろうはずがない(偏見)。にしても、断絶の壁がどうこう言う割にそこらじゅうクマだらけやな! 壁ってホンマに機能してんのかいな。

アルドノア・ゼロ・14話。軌道上で接近する二つの勢力、そして勃発する初の本格的な宇宙交戦、という設定。イナホさんとスレインさん、それぞれお互いの情報を持ったうえで対峙し、間をおいてここで再会の一幕である。スレインさんのタルシスか、あれって短時間な未来予知だっけ? 強力能力の定番だが、厄介なだけにいろいろと物語的な克服方法も思いつくことだ。それに相対するイナホさんの機械眼、双方ともにチートな能力を行使して「やるなあのやろう」と思いつつ…ってとこで次回に続く。

純粋なパワー勝負にならず、細かい前提条件を踏まえてそれをギミックで突き崩してゆく、というこの作品のネタ傾向がよく判る準備話でしたかね。タルシスの予知能力もともかく、分析偏重型のイナホさんにあのデータアイは鬼に金棒というかキチガイに刃物というか…。このちょっと過剰能力気味な装備は逆に脚本書く側も慎重にならざるを得んとこじゃなかろうかな。ここまでの高機能だと、それを使ったギミックってのはそれ相応にハードル高くなりそう。がんばれ。

スレインさんと大川卿は、火星の民草を救荒するために地球を制圧するということらしい。まー地球側から見りゃ「何やねんそれ」の極みだろうが、侵略戦争の目的としては順当なとこではあるな。しかしその道具としてのアルドノア、これが問題というか、最終的に両陣営の想像していないめんどくさいことの発端になりそうな感じはする。ま、それは先の話。あとレムリナの偽姫様、この人もこじらせてますけど…そのうちアセイラム姫さんの生命維持装置のスイッチを切りそうな勢いやなあ。