弱虫ペダル/ユリ熊嵐

弱虫ペダル GRANDE ROAD・13話。暮正月を挟んで後半突入、ってことでOPEDも新規なものとなっての再出発。ついでにエンドカードもこれまたやたらとえろい、というかえっちなものになってました。噂では作画スタッフが野郎作画に飽きたリハビリだとか聞くが、まあいいや。…このエンドカード、またぞろ一話ごとにどっか変化してったりすんだろーなー。多分。

えー本編。自分たちの立ち位置に今ひとつ確実さが無い一年どもに「俺たちの背中を見て学べ」という三年連中の話。ここまでエエ先輩ぶりを前に立ててるってことは退場のシコミなんだろうなってところで、案の定田所のおっさんが舞台を降りるのがクライマックスとなる。超新星の如くひときわ光り、周囲の人々から言葉と回想を頂いた後に見送られて下がるという、もうなんつーか「花道を飛び六方で引っ込んでゆく」みたいな様式美ではありますな。しかしこれ、全員での勝利を標榜する総北にとってどうなのだろうか。無論退場してもその心は受け継いだみたいな形はあるけれど、それ言うともう箱学の方針との対立図式としてちょっと弱いとこだしなあ。ま、その辺は次回以降。

前半部分で気ばかり焦ってやきもきしてる赤青一年生二人がなかなかにあざとい。鳴子と今泉、お前らそこまでくると仲がいいというよりは腐れ縁コンビ、なんか戦隊モノとかのバカな敵幹部コントみたいですよ。うんあざといね

●新番組・ユリ熊嵐。幾原監督の新作である。世に作家性の強いアニメクリエイターはいくらもいるが、ここまでの人はそうそう居ないところでありましょうな。本作も過去に違わずというか十年一日というか、もう誰が見たってこの兄ちゃんの作品でしかありえない独自すぎるデキになってて却って安心する。まず「ユリ熊嵐」というタイトルからして何のこっちゃってとこだったけど、見てみたら「ユリな人たちが熊に嵐のように襲われる」という話だった。…すげえ! そのまんまなのに何も判んねえ!

この「そのまんま」ぶりは全編にわたって横溢しており、あっちもこっちもあまりに即物的なので隠喩暗喩にしか見えないという事態になっている。こういう手法って演劇や映画なんかではようあるところだけど、商業地上波アニメでやらかすってのは相当にハードルが高い。幾原監督という立場を得てしまった人なりゃこそだよなー、ずりーよなーと思ってるクリエイターも居るのかもしれない。

えー。てことで、解釈しようと思えば視聴側のレベルそれぞれにおいていくらでも深読みできそうなのは前作前々作と同じような感じであり、多分この作品もプリミティブなレイヤで「じゃーんこれはこうでしたー」という種明かしはしてくれそうにないだろうし、もうワシのレベルに合わせて一話々々雰囲気を楽しむってのが正解なんだろうなと思う。実際いちいち描写や演出は耳目を引いて余りあるところだし、とりあえずあっちう間に30分は過ぎましたしな。しかしこれ、疲れる作品であるのも間違いないところ。おっさんの精神的体力でついていけなくなったらもうそれはしょうがない、ってとこでどうか一つ。…にしても監督、のけぞった少女の胸から何か飛び出させるのホンマ好きだねえ。今回はユリな人からユリ棒が出てきてユリ舐められてましたけど。エエんかあれ。エエんだろうな多分。うん。