蟲師/レコンギスタ

蟲師 続章・最終話。山ん中でなんか判んない実を喰ったら巨きな杉の木と記憶が同化しちゃった男の話。記憶を引継ぐだけじゃ済まんだろうな、これ多分「佇むひと」みたいに身も心も樹木みたいになってっちゃうんだろうな…と思ってたら、一応脚は木化したけどなんとかそれで勘弁して貰えたようでよろしかった。ま、本人は今まで通りの仕事や活動ができなくなって落ち込んでたんだけど、それもある「記憶」がらみのインシデントによって快方に向かうという、まあそんなお話。

最終話ではあるが別に特別な大事件って感じではなく、でもそこそこ救われた終わり方になってたのはまあちょっとした配慮なのかしらん、ってところ。ラストシーン、切り倒された大木の跡として一部欠けた稜線を見つつ、長い話をしようと子供に向かう主人公の図…ってのはまあ、シメの雰囲気にはふさわしいと言えようか。あと一応過去のギンコたちが出てきたという要素はあったけれどね。やはり変態的な作画と雰囲気作りはそのまんまであり、まあよくここまでやれましたなという感想ではある。

過去回想にて少年イサザに小清水、長老の声に羽佐間道夫。前回登場時どうだったか忘れたけどどうだっけ。羽佐間さんはガリレイドンナの時にもお声にお年が出てきたなあと思ったが、長老という役どころにはよう合ってるなという気はします。もう80越えだもんねえ…あの羽佐間さんがねえ。

●総評、ってったって今までの蟲師と何ら変わらずではあるんだけど。いや、これだけべったりと高いクォリティを維持し続けたまま走り抜けたってのはちょっと大概ではある、というか実に効率の悪い作品だよなあ(誉めてる)。案の定というかなんというか、分割前半クールは蟲語を2回もやっちゃうほどの結果と相成ったのであるが、後半クールはなんとかやりきられましたね。その分死にかけた人も多かったんじゃないかって気はしますけれど。…作画や演出やもちろん監督もそうだが、こういうので一番胃が痛いのは進行とかの事務仕事組じゃないかしら、とか思ったりした。いや知らんけどさ。

正直なところ、話のインパクトとしては10年前の第一シーズンの方にエエのが取り揃えられた印象が強く、続章の方はちょっと振れ幅で落ちるかなってなトコもある。ま、それはある程度しょうがないなとは思いますが。充分な面白さではあるし、ゼエタクな文句ではありました。

…ちうてたら来年夏に劇場版ですかあ。そうそうダイナミックな話にもできんと思うが、1時間スペシャルの枠が取れなかったとかかしらん。…まさかに劇場版蟲語とかやらかさへんやろけどな!

Gのレコンギスタ・14話。なんか知らん、冒頭からラライヤさんの精神が復帰してるみたいな感じである。ひょっとしてホンマのキャラはすげえ苛烈とか攻撃的とかだったらコワイなと思ってたが、どうやら姫様っぽい落ち着いた性格のようで割とホッとする。…ちょっとずつ復帰の傾向はあったとは言え、いきなり「これ、似合います?」とかフツーの文章喋られるとやっぱビビるわな。周囲がそこまで驚かず接してんのも面白いけどさ。

てことで、後半クール突入の物語。ついでにOPも変更となってるが、映像はやっぱり本編からのリミックスってのは富野監督っぽいなと思った。えー、で本編、メガファウナガランデンサラマンドラはそれぞれの存在を利用しつつ各々で月に突進するのであった…というお話。この辺の、状況を刻々と読み取りながら三者三様に動き回りつつ同じところを目指すという流れはおもろい…んだけど、もう一回二回見んことには細かいトコ見逃してそうでちとややこしいわな。あとサラマンドラ艦長、やっぱし航海日誌が好きなんだ。何でしょうね、出版でも狙ってんのか? 

クリムとミックのサラマンドラコンビは何というか、ちょっと年経た夫婦みたいな呼吸があって面白い。これは他のペア、マスクとバララやベルリと姫様には無い雰囲気でよろしい。んでクリムさんも久々にその「軽薄な自称天才ぶり」のノリが出てきてこれも楽しい。やっぱこの兄ちゃんには、裏付けのない自信家という押し出しがあってほしいなと思います。たまにヘタこくのもかわいいよね。たまに? まいいや。というかクリムさんとマスクさんはお互いをバカだと思ってんだけど、まあ似たもの敵味方だよな。あと今回ひっ捕まえた月の捕虜の人、リンゴさんですか? なんか一人だけヅカっぽい雰囲気だけど…ホンマに男なんだろね?