蟲師

蟲師 続章・11話。特別編を挟んで2シーズン2クール目(ややこしいな)であるが、その初っ端から少年ギンコさんオンリーの過去編とはなかなか飛ばすこっちゃよね。てことで土井美加のヌイさんとっから離れ放浪していた時期のギンコさんのお話。まァあの寄る辺無い状況で素直に安定生活もできんだろうなあとは思っていたが、やはり野良蟲師に利用されては棄てられるような経歴であったようで。苦労してますわなあ…こういう時期があってからのあの飄軽な性格になったってのはいろいろ思わされるとこありますねえ。

ゲストキャラは割と真っ当っぽい蟲師のスグロさん。ヌシの代替わりのゴタゴタもあって、「お前を赦すわけにはいかない」と彼の元も離れねばならなくはなったけれど、それでもギンコに対してその存在を全て肯定するという「祝福」の言葉を与えてくれたにあっては実に重要なお人ではある。キャストに中尾隆聖。こういうじっくりと落ち着いた、ナチュラルな中尾さんってかなりレアでんなあ。思わず声の芝居に聞き入ってしまったよ。

後半、ヌシの「卵」を見つけてからの一連の流れは、ちょっと感心するくらいに幻想的・象徴的な演出と画面になってて面白かった。カラスの声に驚いて覚えず卵を割ってしまった辺りの劇的さ加減は素晴らしい。何となく東欧辺りのアートアニメにもありそうな、昏くて深い画面の色合いが印象的でありました。…またよく動くんだよこの蟲やら何やらが。人の芝居の異様な細かさもそーですが、見てるこっちはフツーにすげーすげー言ってるだけですけどね、作ってる方はホンマ大丈夫なんかね。また会社傾けたりしてんじゃないだろうね?