残響のテロル/キャプテンアース/ジョジョ

残響のテロル・9話。リサさんを人質に取られ、虎口に入ってゆくツエルブさん。リサさんは観覧車の中で爆弾まみれ、とてもツエルブ一人で解除できる状況ではない。それでもツエルブはできることをやらくちゃいけない。されど現実は非情、「おやすみ王子様」と嘯くハイヴさんに対してツエルブさんはとうとう…ね、というお話。

スピンクスのお二人が最初に入手したモノ、小型の原子爆弾をご所望のハイヴさん。そこに至るまでの観覧車内部のショウが今回のメインディッシュですな。シチュエーションをバラすとツエルブとリサの言う通り、リサさんがこの舞台に上ってこなければ何もかも起こらなかった、そういう事態である。ツエルブが(もう一度)ナインを裏切ることになるまでの決断を、爆弾とそのカウントダウンが劇的にドラマチックに飾り立てる、とまあそういう悪趣味な趣向と言えましょう。

柴崎さんステージでは、主役三人が厚生省により作られた疑似サヴァンの研究成果物であることが示される。ハイヴさんのこの、どこか不安定で過剰な攻撃性は…やはりデザイナーズチャイルドとしての属性だろうか。敵味方、レプリカントの如く寿命が長くないことが示唆されているけれど、そういう焦りもあるんだろうな。えーさて、お互いストレートに思惑通りゆかないお話となってますが、どこに転がってゆくのやら。…ナインさん、明らかに捕まりそうだけどねえ。

今回ちょっと気を引いたのは爆弾カウントダウンゼロ近辺辺りの描写。ハイヴさんがほらほらもう時間ないよ爆発するよと煽りつつスマホのボタンに手を伸ばすという、典型的な嗜虐性を表すシーンに見えて、実際の所はそのボタンは爆破停止ボタンっすよね、というちょっとねじれた構造。ホンマの所は爆破したくないという心もちなのか、あるいは爆破停止するだろうことまで冷徹に読んでのことなのか、いずれにしても絵面と実際がちょっとズレた感じになってんのが面白かった。です。

キャプテン・アース・24話。先週の夢幻話はどうやら敵さんの精神攻撃だったようで、まあそういうこともあるかもねと乗り越えたご一統に襲い掛かる最初の刺客はバグベアさんである。土星の衛星ハイペリオンを舞台に、因縁のあるキャプテンとバトルを繰り広げるが仲間パワーでキャプテンに敗北。…なんかここでもぼっち扱いなんだなー、と思ってたら最終決戦で復活してましたけどね。このハイペリオン、見かけの面白さと「スポンジ状の氷」というギミックでなかなか独特の絵面になってて良い舞台だったと思う。あのスッカスカの太陽系にてたまたま土星圏に途中下車する確率は…ってのはヤボですな。意識を介するエンタングル航法だし、そこらのリクツ付けはなんとでもなるか。

んでもってやってきたオベロンのコア。よおしお前ら遊星歯車どもめ叩き潰しちゃる、ってなとこでイタズラ好きのパックさんが割り込んできて好き勝手するワケだ。あー、やっぱラスボスは貴方でしたか。意識・人格・エゴの上書きという、人類と遊星歯車のどっちにも効果的な攻撃方法もて立ち塞がるパックさんはなかなかの悪役ぶりでよろしい。マクベス社で女の尻追っかけてるだけでもそこそこ楽しかったんと違うやろかと思うが、まあそこらは悪役の悪役たる所以やしね。元が人工意識であるから余計になのか、やたらと芝居がかった態度もソレっぽい。意図ありとは言え「お前にできるかな?」→攻撃される→「なにいっ!?」のあたりのテンポが良すぎて笑ってしまったよ。役者やのう。

てことでなんかこう、共通の脅威を前に敵味方の共闘というパターンにいきそうな雲行きっすな。それはそれでおもろそうなので、まあ。

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース・24話。一旦ここで一区切り、次は年明けからとなる最終話である。まあエジプト上陸というこのタイミングはインターミッションとしては妥当なとこだろなと思います。てことでえー、本編の方はVSミドラー後編。水中にて絶体絶命のご一統はいかにして危機を脱するか…ってまあ、いろいろあった割に承太郎のオラオラでカタ付けちゃうんですけどね。

つまりこれは、本体が遠くてスタンドパワーが弱かった状況での「絡め手」には手を焼いたものの、本体が近くてパワー勝負になったから皮肉にもスタプラが普通に対処できた、と言えるだろうか。この巨大ハイプリ状態になって初めて、あーちょっと久川綾っぽいなと思いました。あと何故かハイプリ・エステスと切ったような発音してんのは単なるクセかしら?

そして今回の見所、ポルナレフのぱんつーまるみえハンドサインとイエーイピシガシグッグッは当然のように完全再現。花京院さんが珍しくポルナレフのバカノリにがっつり喰いついてる面白映像だけど、楽しそうでいいと思います。しかし昔からのツッコミではあるが妙なモン知ってんなフランス人。…この辺、ファンサブとかはどうすんだろ。

最後にこのシーズンの総括と今後の予感、そしてちょろっとディオ様をお出ししてシメ。「つくづく残酷だな、この「世界」というものは」のダブルミーニングがちょっとシャレててよろしございました。

●総評、ってったって途中も途中だからなあ。しかしまあ、偏執的と言えそうなくらいの原作準拠、かつその上でのオリジナルの違和感のなさ。あの癖の強い世界をよう再現したものだ…ってその辺は1部2部の時も同じですけどね。このシーズンは4クールという尺に合わせたオリジナル部分が丁寧でいいと思う。あとは大物声優ゲストの演技、これも先々に向けて楽しみですな。てことで、うん、次シーズン待ちってことで。