スペースダンディ/アルドノアゼロ

スペース☆ダンディ・20話。忘れがちだがこの宇宙はジャイクロとゴーゴルの二大帝国が覇権を争う戦争世界である。んでもってジャイクロを束ねる若き総帥・ジョニーさんには秘密があり、それは場末の街角でロックンロールに身をゆだねてバカやってんじゃんよ。そしたらわれらがダンディと意気投合したので、あとはひたすらボンクラな状況に流れてゆくじゃんよ…というまあ、多分そうだろうなあと思ったらやっぱしのうえのきみこ脚本作品。監督の言う通り、ボンクラ男で話書かせたら右に出る者はない、無敵の脚本家であるなあ。

とにかく今回はそのロック描写…つってもワシ音曲関係には疎いのだが、そんなワシでも判るのーうこーうな80年代っぽさ。BOØWYとか氷室とかその辺のアレだろうか。それが上條淳士のあの絵と相俟ってもう、むせ返りそうである。このアニメ、クランチロールとかでまず米国吹き替えで先行配信されてるそうだが、アチラの人に判んのかねこの雰囲気。スペース魚民で喧嘩してスペース成田山お守りで和解してスペース帝国警備でバイトして(してないけど)、いやあバカだねえ。

今回はエンディングまですさまじく気合の入った諏訪部ヴォーカル曲とマンガ風画像の特別編になっており、見所満載。つーか上手いよね、諏訪部さん。あと何気に再登場のアレーとコレーのちょっと危ないメカですが、まさかイデオンの胸が開いたらライオン顔が出てくるとは知らなかったよ。ダルタニアスっつーかガオガイガーっつーか…。うん、もう好き勝手やってなさい。おもろかったっすわ。

…ちょっと調べてみたら米国版もシッカリ歌ってて上出来のようで。あとジョニー役にジョニー・ヨング・ボッシュをキャスティングするってのは卑怯だ。そんなもん脚本アテ書きと誤解されるレベルの卑怯さだよ! まいいや。

アルドノア・ゼロ・7話。三面六臂ロケットパンチ姐さんの攻撃。彼の言うとおり攻撃自体はハデだが案外とこけおどしの面もあるようで、そこに付け込めばなんとかしのげるイナホくんである。スレインさんとの連携によりその状況を維持するも、しかしそれだけでは決定打にも欠けるなあ…ってタイミングでの火星巨大空中戦艦の大乱入はなかなかのインパクトでして、地を割ってどごーんと出てきたシーンは歌舞伎の見得を切る絵面のようではあった。しかしそれでもスレインさんとは敵同士と認識しちゃってるイナホさんでありまして…ううん、これはイナホさんの考えの底を知りたいところ。スレインさんのナイーブさとの対比は面白いね。

火星ロボは一芸特化の一発メカってのがよう判るお話ですな。こういう極端だが強力な敵に対してどういう策略で裏をかくか、というイナホさんの技を見せるのが今んとこまでの骨子。脚本は大変だろうが大変なりに面白い仕事だとは思う。願わくばこの変化球ノリの精神を失わずに続けてって欲しいと思いますが、まあ先のことは判りません。今回の6連ロケットパンチロボ、六発撃ちつくした最後の奥の手が「ボディがそのまま拳になって襲い掛かる」という…いやそれ文字通りの奥の手ですやん、というバカネタはとてもよろしい。モテモテ王国のファーザリオン、足ロケット手ロケット胴体ロケットによる「欠点・総攻撃後はいなくなる」を思い出した。最後は「死因・もみじおろし」…って生き残ったな。いや死んだけど。

てことで、いろいろとご都合ドラマチックが満載の話で面白い。いいよいいよこのままで。それにしてもマリト大尉おじさんは今んとこ、ほんっとに何も役に立ってないな! かなり意図的にキャラや流れを構築してあるっぽい作品だけに、ここまでしどころないと「こいつこのあと何やらかす予定なんだろう」と逆に楽しみになってきます。いやこのまま戦おうとするたびにPTSDになる、という天丼キャラで押すという手もあるけどさ。