技術の拡散

●通りっかかりの絨毯屋さん、大きな窓から商談中の様子がチラ見えしているが、店員さんがお客の話を聞きながらタブレットをチョイチョイいじっては向こうに見せている。まあ今時珍しくも無い光景だけど、何かこう、光る板状のものをつついて商談成立、ってのはかなり濃厚な「過去的未来」というか、昔のSF風味がしてちょっといいなあ。古いSF映画とかに出てくる未来世界描写でいうならば、もっとピコピコ音がしたり部分的に立体映像が出たりするかもしれんけど、この現実シーンの「絵」だけでも充分にミライだ。

重要なのがこの状況が、そらまあちょっとした雰囲気作りやカッコツケもあるかも知れんが、少なからず実務的要請に基づいた日常業務として定着してるってこったね。探せば未来的ガジェットはいくらでも、どんな時代にでも存在するだろうけど、こうして街の風景として遍在するという状況が拡散的でよろしい。まだまだ過渡期的な技術だと思うけど、そういうちょっとしたあだ花っぽい雰囲気も含めて、なんかすごくグッと来る絵だと思いました。…などと絨毯屋の店先で中を覗き見ながらもやもや思っているワシは一種の不審人物である。ぐへへへ。