蟲師

蟲師 続章・5話。冒頭いきなりすげえキレイな森と湖の絵。鏡面の如き水面に身を映した少女は、その似姿を水面に奪われる…。湖面の面妖なるさざ波が毎度ながらエエ作画。これ、普通なら全面的にCGとか使うところなんだろうけどなあ。1期って何カ所かCG使ってたのに(思い出せるのが1話と最終話、双方とも「文字」だってのが妙な呼応だ)、なんか2期は頑なに手描きに執着しますねえ。大丈夫か、仕事量的に。…流石に湖面のBG自体の揺らぎとかはCGだろうけどね。

さて。蟲に似姿を奪われた者は徐々に体力を失いやがて蟲となってしまう、となれば尋常ではない。あれこれアドバイスするギンコさんなのだけれど、蟲に魅入られた当の本人…マスミさんの方に現実回帰への意志が弱いのが問題である。フラれちまったアチシなんてもうこの世に意味は無いのよォ、と言う彼女に対し、そんなこと言うとホンマに意味のない蟲になっちまうぞ、と返すギンコさん。ああ、マスミさんはマズいフラグを立ててはるなあ。

案の定唯一の撃退機会を失って絶体絶命の状況下、何故か助かるマスミさん。その理由は「襲いくる蟲を見たことでその瞳に姿が映ったから」。なるほど、それまでの症例/事例は既に相手を見ることも出来ないほどに気力体力が衰えていた、ってことなんだろうな。やれよかったよかった、ってとこでマスミさんはもうラブラブモード、ギンコの兄ちゃんにコナかけてたりして…うん、このちょっとトボけた味わいはこの作品にしては珍しい。ま、このくらい図太くてへこたれないお嬢さんであるからこそ、蟲と化すことの「喪失」に対比ができる生命力ってことなんだろうな。

ラスト、そんな危なっかしい蟲を身に宿らせ、山の奥に連れてゆくギンコさん。相変わらずこの人は幽玄な道を歩むお人である。相手を知れば怖いも畏ろしいも無い。蟲はただ、そこにあるだけですよ、っちうこっちゃね。