弱虫ペダル/蟲師

弱虫ペダル・28話。最下位スタートの小野田さんによる「選手百人抜けるかな」クエストの開始。今までのペースからしてもっと粘るかなと思ったが、集団乗り越えや御堂筋くんブロックなどのサブクエストも含めて意外にも1話でケリがついた。まァこの辺延々とやられてもちと困るっちゃ困るけどね。しかし何だな、アニメで実際にヒメヒメアクセラレータ見るとやっぱスゲエな。確かにこんなんが後ろから高速で追いかけてきたら怖いよ。…中の人の演技の苦労話が聞きたいところではある。

んでもって小野田さん、レース中にて御堂筋クンとの初会戦。まァ今回は前哨戦というか挨拶代わりであり、御堂筋さんが「アイツ量産型とちゃうな」と認識するためのエピソードですわね。御堂筋さんが動いたり歯ァ噛みあわせたりするたびに、人間とも思えないSEが響くのがどうにも可笑しい。極端な前傾姿勢にトランスフォーム! のシーンとか、そのネチャアってのは普通エイリアンとか触手モンスターとかに使われるような音でっせ。こっちはこっちで怖いよね。

百人抜きで前線復帰して即座にチームを引っ張る小野田さんはやっぱ底なしのスタミナであるが、そういう野郎だからこそマキシマ先輩も「必ず来る」と信頼して待ってたんだろう。つくづくムチャブリに応える初心者ですなあ。この辺で語られる、新人がクライマーだと知って大喜びしてるマキシマさんの回想はすげえ心に響くものがある。根は熱い人なんだよねえ。登場人物大概そうなんだけどね。

蟲師 続章・3話。妹のタエは「湖に降る雪はかわいそう」と言う。水に落ち消え去ってしまうから。水底に居る者たちは、雪の降り積もるを知らない。しかし、それが蟲であればどうだろう…。常雪蟲に見舞われたトキさんの話であるが、熱が恐怖で冷たさは平気というあべこべクリームみたいな症状はともかく、それで実際の体組織は変化してなくて結局凍傷などには罹ってしまう、ってのが災難やなあ。ま、たまたまギンコさんが通りかかってよかったね、ってことで。

主要ゲスト三人(うち一名はお話の開始時死亡)、みんながみんな別々に冬の湖に落っこちているという、これは常雪蟲がどうこうじゃなくて湖自体が呪われてんじゃないのって感じではありますが。「それも蟲の仕業ですな」おお…その声はギンコくん。えーとまあいいや。蟲に引かれ尋常ならざる体となったトキさんが、幼馴染のタエさんを助け背負い、その温かみで人として元に戻る…その際に痛みと寒さがまず感知される、ってのは定番だがよし。人であることの苦痛と苦難、それもまた人なりってなこの作品らしさがよう出ておられる。

ある意味今回の主役は人でも蟲でもなく、雪そのものでもありましょうな。前シーズンにも雪をお題とした話はいくつかあって、話ごとに描き方の異なる雪の描写に感心したものでしたが、今回もまた手のかかった降雪描写が目を引くことではある。水の中の光る雪とかね。しかしあのチラホラと舞い落ちる雪、ぼんやりとしたまとまりといい降雪軌跡といい、控えめながら実にリアルだ。最近の降雪CGも自然になってきたもんだなーとか思ってたがまたしてもスタッフにCG班が見当たらない。まさかこれも全て手描き作画なの!? いやあ…まさか…ううん。