弱虫ペダル/サムライ

弱虫ペダル・16話。VS二年生編、とりあえずの決着。1話まるまるテシマ/アオヤギ先輩との駆引きで構成するという、サブタイと小野田くんの行動と同じ「一点突破」の構成である。シンプルな構造の話だけに、こういう競り合いドラマにはよう合致してて盛り上がった回ではなかったでしょか。…最後、何だかんだで負けちゃったテシマ先輩の顔があからさまに「敗北した中ボス」っぽいソレでしたけどね。一応チームメイトなんだけどね。今回はまァ、一種の悪役でしたってことで。

突っ走る「体」担当のアオヤギ先輩と対照的に、「頭脳」担当であるテシマ先輩の物語上の役割はとても多い。話を仕掛けて引っ張って解説して翻弄して、最後に負けなければならない。そういう意味で、テシマさんは今回主役的な働きを十分にこなしていたと思う。頭脳戦による駆引きネタってのは下手ァすると「そんなんないやろー」とか引いてしまったりするもんだが、今回のは上手いことノリをキープしてたな、とか。途中何度も「計算どおり」とか何とか言うてんのが、何だか役割をこなしてまっせェって感じで妙に微笑ましかった。いろんな意味で。

前半の回想を終わったあたりで一年どもがいったん絶望するそのタイミングで日が暮れて夕景→夜景となるとか、クライマックスの追いかけっこで地上固定カメラのパンで結構なスピード感出すとか、見た目のメリハリが多くてよろしかったっすね。上記の「負け顔」でシメという構成もグッドである。おもろかったっすよ。

サムライフラメンコ・14話。政治的思惑から外れて正義を為そうともがくハザマさんであるが、そんな中何故か電話にてビヨンドさんたちの犯行声明が一斉に発令される。六万あまりの怪人たちの総攻撃…ってこうなるともう、怪人というより戦闘員レベルのわらわら加減ではあるな。大混乱に陥りかける東京都民を、ハザマさんの昔語りによって何とか鎮静化させるというのはまあ、ちょっとしたファンタジィの類ではあろうな。あのネット生聞いてちょっとイラッとする人も、一定数は居そうな気がしたりして。いいけどね。

大量に襲いくる怪人たち、巨大な合体制圧兵器、富士山大爆発をもたらす日本破壊装置…という絶体絶命の状況下、今までどこ行っててんという声をバックに再登場するカナメ師匠がおいしいところ。そして歴代のテレビヒーローが全て実在していて今ここに駆け付けた! という、なかなか燃える展開でありますな。…ヒーローのデザインが一部何かこう、いろいろと突っ込みたいところがあったりするのはまあ置いとこう。アニメ…もとい特撮じゃない特撮じゃないホントのことさ、って感じですわな。

んでもって最後の最後に登場するのが石田声にして主人公の生き写し、ってェのもまたベタで上手いよねえ。ハザマさんというキャラが唯一無二な主人公であるだけに、こういうブラック滝沢的な敵ボスってのはよく映える。もうアレっすね、敵キャラカテゴリ:石田彰という、そういうレベルの存在感だ。

しかし話数からいって先は長い状況である。これってラス前とかそんなんでもいいくらいのお膳立てなんだけど、楽しみの余地はまだまだありまっせってとこですよね。ううん、おもろいわやっぱ。