黒揚げパン

●仕事帰りの途中にパン屋に寄って翌朝用のパンを買う。ついでにそこにあった黒パン(ライ麦パン)も戯れに買う。よく欧州を舞台にした作品なんかであんまし美味しくないものとして描かれていて、なんか気になってはいたのだ。本邦で言うところの白米に対する玄米みたいなもんだろうか。家に帰って早速喰ってみるが、ああなるほど…これは確かにクセがある。ぼそぼそもそもそした食感はともかく、黒パンを醗酵させるために使用する、サワードウだっけ? あのパン種の味であろう、独特の酸味がちと喰いづらい。喰いつけないワシのような人間にとっては、どことなく「饐えて傷んだ白パン」のような印象も立ち上ったりしてね。でもこれ、慣れてきたら普通にそういう風味としてイケるだろうなって感じもするな。うーん、たまに喰うぶんには悪くないかもしれん。

そこそこの量があったので初日はそのままトーストして喰い、二日目にちょっと余った分はふと思い立って適当な大きさに切ってから揚げてみた。味付けは塩胡椒のみ。…うん、これは…なかなか旨いぞ。加熱によって強い酸味は飛び、しかし黒パン自体のレンジの広い風味はまだ保っている状態。カリカリした食感もよろしいし、ちょっと浅目に揚げて中がまだしっとりしてる状態でもそれはそれで旨い。黒パン本来の味わいからすると邪道も邪道だろうが、ワシのようなヘボタレ人間にはこの程度で充分かもしれん。そうね、おつまみによろしそうだな。揚げパンってカロリーバカ高いけどね!