進撃の巨人/アザゼルさん/ヤマト

進撃の巨人・10話。承前、出来損ない巨人になって仲間を守ったけれども状況的には最悪であるに変わりはない、ってなエレンである。そらまあこんな状況で筋の通った説明も何もないだろうし、何よりエレンさん自分自身でも何のこっちゃ判ってないのであるから仕方ない。「地下室に行け」という辛うじて残っていた記憶が何らかのキーになるんだろうけど、その前にこの場をなんとかせな…っちう話。んー、あの強烈な巨人バトルの後だからしゃァないっちゃそうかもしれんが、少々ダレ場っぽい印象がしてくる流れだな。いや楽しく見てるのではありますけどね。

さて、純粋にバカ強いミカサ、巨人の力を持つエレンの二者に比べて(あったりまえだけど)押し出しの劣るアルミンであるが、それだけに彼の知恵者としての突出具合を描くってェのは作者側としてもやりがいありそうな感じがする。今回提示の「エレンの弁護人」としてのアルミンは、そのロジック自体はまァ…別にそんなもんかなという印象だけど、ミカサとエレンよりの絶大な信頼とそれにガッツリと応えようとするアルミンの意気は話の焦点たりうる量感があったかなと思う。結局その場を救ったのはドット・ピクシス(なんか8〜16ビットゲームのグラフィックみたいな名前やな)の変人おっさんではあったのだけれどね。

一応この場は収まったけど、どうだろうねえ。ピクシスのおっさんはともかく、同僚たちがどう思うかってのは難しいところじゃなかろうか。さしあたっては破れた防壁塞ぎというドカチン仕事からやるみたいですけどな。あと今回のサシャさんは仮病でおなかいたいとか言ってた。なんつーかホンマ、つかみどころの無さで言えばマックスですねえこのお嬢さんは。

●よんでますよ、アザゼルさん。Z・10話。先週のどうしようもなくひどい話の後編、変人ミキシン仮面の始末…ってっても今回の様子だとそのうちリベンジ再戦という流れにもなりそうだが、この前後編を越えるひどい話を作らなきゃいけないとなるとこれは相当にハードルが高いような気がする。気がするが、多分この作者なら割とやってのけるだろうなという(嫌な)予感もある。うん、ゼヒみたいですゼヒ。

とはいえ先週のムチャクチャな歌/ハチャメチャな変態世界描写、という出オチ二発芸に比べると少々インパクトで劣ってたかなという印象が無いでもない。いや無論、ヤリマンにされたのかと思ったらホンマにヤリマンだったシスターとか超巨大ちんこで歩む変態とか、そういうシロモノが「インパクト弱い」と評されるってのも酷な話やとは思いまっけどね。あと今回はアザゼルさんの「いらんことしかしてないぶり」がいつにも増して強調されてて、ここまで来ると危うくダメ人間的なペーソスを感じてしまいかねないレベルである。そしてそれに対するさくちゃんのニベもない態度がとてもよいと思います。あと変態ミキシンの人は便意を感じたとき、あそこまで葛藤せずすっぱりとケツダンしちゃうのかと思ってたけど…ううん、そこで躊躇しちゃうってのもプレイとして重要なのかもなと考え直した。以上。

むろみさんはいえちーメイン、宝物としてのむろみさんウロコを巡るいくつかのお話。マレーシア娘さんは顔見世程度でお話らしいお話も語られなかったけど、まあかわいいのでよし。つーか一番かわいくて常識人であざといのがいえちーさんなのね。千和声がフツーにコビコビかわいくて、やっぱこの人芸の幅広いわ。中途のクラーケン作画がまた今回も走りまくっててすげえなと思ってたらナチュラルにえろ触手に移行したのでちょっと感心した。このシフトは案外意表突かれたっすよ? いやマジで。

宇宙戦艦ヤマト2199・10話。例の自動航法装置が云々で、なんか知らん次元断層に囚われてしまったヤマト。ははあ、次元の間は海中っぽい風景なのか。そういやこの先ガルマンウルフの人が出てくる回があるらしいし、そこでこの水中というアナロジーが呼応してくるってワケですな。ま、それはさておきここから脱出しなきゃならんのだが、たまたま先客にガミラス艦がいらっしゃってて協力しよかと言うてきて…っちう話。

向こうさんが寄越した伝令さんは妙齢の女性パイロット、これにはヤマトもビックリである。そうか、ここでやっと敵ガミラスとファーストコンタクトなんだなあ。視聴側はお互いのサイドから見てるからもう、とっくに顔合わせしてたようなイメージだったよ。んでこの使者…メルダさんと対置されるのが山本アキラさん。青と赤、対照的なカラーシェーマが判りやすい。途中であんまし必要もないのにキャットファイトしちゃうのはやっぱしサーヴィスの一環でしょうか。結局ゴタゴタで帰る船が無くなって、しばらくこのヤマトに厄介になることに。異文化交流しなくちゃね、ですか。

そのゴタゴタの原因はガミラス艦内部の身分差社会。中央からの高慢な将校と現場の士官の対立…同時に戦争の判らない青二才と真の海の男、という対比でもある。今んとこ二級ガミラス人の高潔さばかり目立ってますが、やっぱ純血主義者ってのは鬱陶しいっちうこっちゃな。そしてますます小物っぽいゲス男ぶりに磨きがかかるゲールさんであり、うーんかなりファンになりつつあるよワシ。もっとダメになれダメになれ。

今回メルダさんのアップ辺りでやたらと目力が感じられてて、なかなか強い作画だなあと思ってたら作監川元利浩。こういうカッチリした気の強そうな目は流石の腕ですな。あとメルダさんの戦闘機、双発っぽいレイアウトといいおにぎり断面っぽい胴体といい、すげえMe262っぽくてカッチョイイなあ。