進撃の巨人/アザゼルさんとか/ヤマト

進撃の巨人・9話。冒頭でエリートたち調査兵団の面々をちらりとご紹介。ヤタケタに強く、虚無的に見えて仲間の信頼も篤そうなリヴァイさん。巨人の血を汚いと拭った直後、死にゆく同僚の血塗れの手をぐっと握る描写が判りやすい。あとどこか気の抜けた様相ながらやっぱし強くてヘンテコっぽいハンジさんのキャラが良かった。こういう人を喰った感じの強キャラってなんかエエよね。要所々々で妙にドライな戦術とか行使してくれたらもっと嬉しかったりして。最大効率のための犠牲をアッサリと執行するとかね。

んでもって本筋、巨人化から戻ったエレンさんを巡る疑心暗鬼のお話。恐怖と怯懦からエレンたちを排除しようとするあの一群の兵士たちは絵的に悪役気味に描かれているが、同時に「ああ、まあこの状況なら誰でもそう思うよなあ」ってな無常感も漂う。ラストで再度巨人化してミカサたちを救うに至るエレンだが、この「最善手にして最悪手」への話の持ってき方がなかなかに容赦なくてよろしい。こっからエレンがまた人類側に戻るには相当の出来事が必要となるだろうが、さてねえ。

庇護者の藤原啓治の人が主人公三人についてその力・精神・頭脳という各々の強さを述べた後、土壇場の所でそれぞれの実例を提示するような流れになってんのが自然でよろしかった。確かにミカサならあの場を殲滅できただろうし、この期に及んでのアルミンの劣化しない判断力も大したものだし、んでもってエレンが採ったあの選択肢も大概の覚悟ではでけへんやろしねえ。

●よんでますよ、アザゼルさん。Z・9話。先週の龍神湖温泉話も大概ひどいと思ったが、ああ…うん。これはまた…。地上波だろうが何だろうが、アニメ見ててここまでアウトな絵・展開・演技を経験したのは初めてである。何やねんあの、サクちゃんの周囲で最低な歌を歌いながらちんこ乱舞させてるシーンのドアウト加減は。またやたらとぬるっぬる動く作画やらノリノリ過ぎる三木眞一郎の演技やら、ギャグボールサルガタナス役の金田朋子姐さんやら、もうどっからどう言及していいものやら見当が付かん。水島監督、あんたスゲエよ。参った。

あと何気にアザゼルさん/小野坂兄やんの演技も何かよかった。アクタベはんに踏まれてるえろ本を引っ張り取ろうとしてる時の「ちょ、足元すんまへん」の時のすっさまじいナチュラルさ、この演技だけでひゃくてん献上したいっす。

むろみさんも色々面白かったんですけどね、この前半部分のムチャクチャさにかき回されちゃった印象もちょっとあったりしてね。大御所のネタの前に空気読まないバカ噺やって顰蹙買っちゃう若手落語家というか、まあそんなこと思い出した。えー本編で言いますと、性格に難アリのテッキー宇宙人に大塚芳忠というキャスティングであるが、ほうちゅうさんなんか最近この手の役増えてきましたね。本人が楽しそうなのでいいと思います。そういやいえちーの中の人とはささみさんでも縁がありましたっけ。まいいやもう。

宇宙戦艦ヤマト2199・9話。鹵獲した敵アンドロイドとアナライザーがアレコレしたりする話。セルロイドのお人形にも魂が宿るのか否か。劇中でもロジック最右翼、人の心なんざ知りませんってな風情の真田さんが、実は全て踏まえた上でそのように行動しているってのが判る回でもある。かなりSF趣味の強い、今までの流れからすると少々異色なエピソードでして、見終わって「多分これ2199のオリジナルやろなあ」と思ったらやっぱそうらしい。やよね。

独立話っぽい一方でそこそこ話の根幹に関わるネタもちょいと出てきてるみたい。そもガミロイドさんが目指していたヤマトのブラックボックス航法装置ですが、わざわざ「女神」と言うからには多分イスカンダルの…ってなギミックなんだろうな。にしてもガミロイドさん、レゾンデートルを求めて件の女神に近づき、友人を前にして死を迎えたその最後に「犬、ネコ、…友達」の台詞はズルい。アナライザーはアナライザーで「アカンかったら初期化するよ」と言われて「それは! …適切な判断だと思われます」の間合いも物悲しくてよろしい。とまあワシのようなおっさんSF者にとってはなかなかクるお話なんだけど、それでもときどき挟み込んでくるSF作品タイトル(のモジリ)はちょいとこの作品のテイストからは離れてるかもな、と思った。ちとあざとすぎるというか、ね。いいけど。

ガミロイドさんがヤマトのネット内に侵入するとき、何故かすんげえ金田エフェクトだったので作画誰なんだろーなー、ああ新井淳の名前があるし多分これだろうか、とか見てたら湖川友謙が居た。おっさん元気やな! 確かもう六十超えてたと思うんだけどな! あと絵本の絵が草磲琢仁だったり新しいエンディングがやっぱり麻宮騎亜で菊池通隆だったり、毎度ながらネタにこと欠かんアニメやなもう。

追記。そういや昔ワシもサルガタナス描いたけど、…あのお下劣大百科なデザインには遠く及ばん。つかただのダジャレである。