クライングレヴォリューション

●帰りの電車の中でお子さんが泣いている。ついイラッとしてしまうのだが、多分これはワシが独身で子供を持ってないからではあろうなと思う。ちうか、泣き声ってのは赤子や子供が効率的に大きな音を出せるように進化によって最適化した結果であり、それに対して心かきたてられる反応を起こすように人間成体も最適化しているっちうことですよな。その平穏ならざる心の動きが、ワシのような一人身にはイライラとした感情として発露し、人の親には「何とかしてあげなきゃ」ってな感情として現れると。

こういう何らかの入力に対して発生する人間の感情ってのは、言うてみればミドリムシや蛾なんかが正の走光性でもって行動にバイアスをかけられてるのと同じようなものだ。多くの場合、その感情に従って行動していれば生存上ベターな選択となる可能性が高い、少なくとも今までは高かった。赤子の泣き声には何事かと立ち上がり、暗い闇には恐怖もて遠ざかり、ミバの良い異性と見ればでれでれと近づきたくなる。それぞれの入力情報にはそうすべき答えがある。故に子よ、泣け泣くがよい。それが貴殿における進化上与えられた正当なる権利なのだから。

ちなみにそのお子さんが泣いていた理由は「電車乗りたい」であった。…いや、あんたもう乗ってんじゃん…。どうしたらいいのよ進化の選択上。