ガルガンティア/ちはやふる

●新番組・翠星のガルガンティア。今期ロボアニメその2、えーと…IG制作で虚淵脚本にハナハルキャラか。冒頭いきなりマクロススピンオフのような宇宙船団、そしてヒロイック・エイジみたいな敵宇宙抵抗勢力との大バトル。ううむ、今時ここまでガッツリの遠未来SFセッティングは割と珍しいな。人類たちはこのド未来超宇宙空間においてあまり優勢とはいえない戦争を延々続けているようであり、主人公はその軍隊に属する一兵士さん…レド、っちうことやね。

前述の通りかなり遠未来のようで、テクノロジーも社会構造も現在とは様相の異なる状況のようだけど、とりあえずレドさん含めた人間の情動や反応のあり方はこっちが感情移入できるくらいのマトモさのようだ。加えて、パッと見ィでは独断専行タイプの主人公キャラっぽくもあるレドさんは、実のところ冷静で突飛な行動もとらないちゃんとした軍人さんと見える。うん、そこらへんの土台がシッカリしてると見やすいわよね。そして空間転移事故によりレドさんは伝説の「地球」にたどり着く、と。いいね、マトモな未来の軍人さんとラフな原住民とのカルチャーギャップモノの要素もあるか。

てことで、ふうむ。これはちょっと面白そうな第1話。舞台や設定の構築に相当な準備の要りそうな、そこそこマジな未来SFモノとしてちゃんとデケている段階でちと点が甘くなる。ホットジュピターやらエキゾチック物質やらのジャーゴンに弱いというワシの個人的事情を置いといても、かなり良くできた語り起こしなんじゃないだろうか。メインロボのデザインも今風でよろしい。よし、ちょっとつきあってみよう。

あとはあの敵宇宙生物やなあ。脚本が脚本だけに、なんか度肝を抜く正体だったりしそうな雰囲気が。まあ最後まで単なるバケモノでもそらそれでおもしろいっすけどね。

ちはやふる2・12話。VS明石女子、真っ向勝負の対戦となる。もうかなりかるたパワーもあるだろう千早さんであるが、相手エースの逢坂さんに対しては序盤よりかなりの苦戦を強いられる。顧問のおっさん先生の言うとおり、男子でも女子でも三日会わざればってヤツだ。まず1枚まず1枚、そして逆転しなければ…と、どんどん研ぎ澄まされてゆく千早さんのテンションを一気に緩和するかなちゃんの言葉。この鮮烈な転換演出の見事さよ。見てるこっちの意識もふっと晴れてゆくようである。

さて、相手エースの逢坂さん。属性てんこ盛りの外見にそぐわないがっちりとした強さが印象的で、その強さは一種不気味な様相を呈している。この外と内の不整合が全体としての不気味さの源でもあるんだろうな。あと今んとこ、背景は描写されても内面はとことん描写されていないという「強者モード」状態であるのも大きい。今後彼女の内面描写が入りだしてから…その時点で、彼我の状況がスタートラインに立つってなとこだろな。

富士崎のコールドハートっぽい顧問・桜沢先生になんと林原めぐみ。もう押しも押されもせぬワンポイント起用の大御所役者さんですなあ。何でもイケる器用な人ながらそれほど外見的キャラには合ってないようなキャスティング印象だけど、まあこの大物感ちうか押し出しちうか、そんなアレで納得させられるってのは大したものではあります。