たまこまーけっと/新世界より

たまこまーけっと・7話。王子さんとこの専属占師、チョイさん来訪の巻。漠然と「南の島」というだけの出自、説明ナシで日本語の通じる状況、とまあこのお話に割と相応しいふわふわした…ちょいと懐かしい感じの道具立てである。なんつーかこー、モスラの小美人とかそういうのを思い出す。占師として次々未来を当ててゆく辺りの微妙な気合の抜け加減もソレらしい。その上で、風呂屋のマドンナの結婚占いがちゃんと話として機能するのだけどね。

マドンナさんの方じゃなく、豆腐屋の兄ちゃんの方に感情移入しちゃうチョイさんがいじらしい。自分の境遇に重ねて思いにふけるとか、報われぬ恋とか、案外とおませさんであるな…ってってもまあ、南の島のことだし、もう扱いで言えばすっかり大人さんなのかもしれないけれど。年齢も二十五六なのかもしれないけれど。そんな気分で熱出してうんうん言うてるうわごとの「波の音が聞こえない」ってのがなんか良かった。言い方はヘンだけど、風情があるというかね。

冒頭、玄関で笛吹いてるチョイさんからデラさんにパンするシーンの背動、あれわざわざめんどうな視点移動を手描きでやらかしたのかしら。最近ならCGで済ませるとこだよねえ。あるいはCGベースでその上に処理したものか? いや、京アニなら酔狂で全手描きしてもおかしかないけども…。

新世界より・20話。ボートで逃れるお二人に忍び寄る「あいつ」の魔手。何とかその恐怖を一時的に退けて更なる自爆怪物から逃げ去るも、邑に帰ってみれば存外な損害であってどうしたものやら。どうやらヤコマルさんの戦力と戦術は徹底したものであり、甘く見ていた人間どもは割と為す術なかったようである。今こそ判る、今まで教育委員会たちがあそこまで強権的であった理由。恐れが彼らを動かしていたのだ。それでも、記憶と経験を奪われたサキさんたちはやっぱし納得いかねーのではあるが、ね。

あの自爆怪物はなかなかえげつないなあ。炭か火薬の粉末でサーモバリックか粉塵爆発か、そういう広範囲な破壊をもたらす代物のようで。姿の見えない呪力人間も怖いけど、あのぬるりとした巨大ヒルみたいなお姿はまた別種のホラーっぽさが…っつーかもはや特撮怪獣やね。威力的にも爆撃機の通った後みたいな状況だし。「水を下さい」は怖いなあ。

しかし前半の夜間シーンは暗い。恐怖感を煽ったり呪力開放や爆発シーンを印象付けるには効果的なんだろうけど、流して見てたら何がどうなってんのかよう判んなくなりかけた。ま、これはウチの視聴環境が貧弱だからってのもあるでしょうけどな。うんまあ。