ヨルムンガンド/サイコパス/ロボティクス

ヨルムンガンド PERFECT ORDER・11話。ヨナのココ部隊からの離脱と世界の変容ちょっと前。大きすぎるココの計画(あるいは、狂気)を前にしてヨナが結論を出せず、逃げてっちゃったのはしょうがない。ココを殺すにはもう親しさに踏み込みすぎており、また今までどおりの行動を続けようと割り切れるほど世慣れてもいないからね。まあその、ココの言い方も一種のポラライズ、極端すぎる二択による扇動っぽくはあるのだけど。いや、この場合はココの言い方じゃなく「作者の」と言うべきか。多分この作品内に於いては「その二択しかない」ってな状況設定なんだろうし、ね。

てことで、今回はココの渦巻く狂気とそれにガッチリ見合った才能の話。どっちか一つだったらともかく、幸か不幸かココにはその二つが備わってしまっていたという。これから死にゆく(だろう)数億人にとっては幸、犠牲の70万人にとっては不幸ですな。幼い頃から武器商人として悲惨な世界を浴びるほど見てしまったが故の、そしてそのことを隅々まで理解できる頭の良さを持ってしまったが故の狂気。この怪物を作っちゃった原因は多分、未だ姿の見えないフロイド父さんっちうことやろなあ。

ヨナはキャスパーの元に去ってったけど、マイアミ博士が予言するようにさっさと戻ってくるのではあろう。キャスパーの一日千秋な武器世界を見ることで、ヨナの武器世界への考えが固まる、っちう流れだろうか。

先週終わりから今週頭の辺、ヨナが離反行動見せた瞬間にレームのおっさんだけがキッチリ反応して銃抜いてたのね。流石超神兵だけのことはある。こんなけの力量を持ちつつ、最終的にココに従う理由を彼だけ表明しないってのはなんかウラがあるのだろうかどうなんだろうか。にしても、レーム以外の大人連中みんな心穏やかにココに従うのねえ。ルツはいろいろありつつも思想に賛同、トージョはノリでってのも然りながら、ウゴとワイリの「自分は職人気質だから」という理由がなんかすげえな。あの計画を前にして内容じゃなくテメエの力量を生かせる場があるかどうかが重点になる、ってのはもう戦闘狂の思想にも近いや。あ、バルメねーさんについてはいいです。アナタはもうそのままで。ハイ。

PSYCHO-PASS・10話。ワナにおびき出されたアカネさんとコーガミさんは、例のセングウジ会長の人間狩りゲームの対象となってしまうのである。ま、会長も含めてマキシマさんの掌上、「人間観察が趣味」と意識の高い学生崩れみたいなこと言うこの兄ちゃんは割とヤバい。てことで、極限状態における人間の様相を見るため、お互いに仕組まれた死亡遊戯が開始されるのであるが…まあ、多分次週エエトコで官憲の介入がありそうですな。そこで会長の今後の身の振り方が決まりそうだ。このまま見捨てられるか、華麗に逃げおおせてまたマキシマさん側で黒幕的笑みを漏らす人になるか、だ。

少々ウザ気味だが至って普通のアカネさん友人がゲームに巻き込まれ、コーガミさんと通常会話しつつクエストしてるの見て「あ、なんかこのお嬢さん死にそう」とか思ったが、この人を見捨てる/見捨てないがゲームの進行に組み込まれているってことで一先ずは命を永らえたってとこですな。次週以降はまだ判らんけど。このギミック、他者の命へのアプローチを図るってのはなんかブレランのフォークトカンプフテストを思い出しますが…そうか。犯罪係数の高い人ってのはレプリカント的なアレ、っちうアナロジーかしら。

廃棄された銀座線を使って幻の舞台を演出する、ってのは押井的だなと思ったが、そういやこの作品のモチーフ/オマージュの一つはパトレイバーだっけ。実際このネタは別に銀座線でなくてもエエし、専らそういう雰囲気を出すための舞台設定なんだろうな。

ロボティクス・ノーツ・10話。ガンつく1の失敗を経て(ワシもアキちゃんと同じく、あれを失敗だとは思わないけどね)、アキちゃんが踏ん切りつけてガンつく2に移行しようと決心するまでのお話。最初の目的に全てを賭けるのはいいけども、その為には回り道も必要ではある。まずは動く巨大ロボを作ろう、そしてゆくゆくは心の支えたるガンつく1に戻ろうという、言うてみれば普通のことなんだけど、アキちゃんのような猪突猛進の高校生にとってはまあ…うん。一大決心ではあるよね。判るよワシも。

スバルさんの案を現実的なたたき台として制作に入るようだが、要するに軽量なフレーム構造のロボットに拡張現実をひっかぶせるっちうやり方なワケね。これはこれで判るものの、アキちゃんが(代替案にしても)案外乗り気なのは意外だったな。もっとリアルの存在に拘泥するかと思ったけど、この世界そこまで拡張現実が一般的意識として普及してるってことだろうか。ま、どのみちあくまで理想へ向けてのワンステップとしての役割だけども…うん、その道への足がかりの一つが冒頭のモノポールだろうか。

そう、にしてもモノポールですよ。ワシも少ないながらSF見てきたが、目の前の叢にゴトリと落っこちてくる石のようなモノポールってのは初めて見たかもしれない。すげえなオイ! まああれはハダカのモノポールムク(!)ではなく、内部にステキ技術で封印しているカタチなのかもしれまへんけどさ。そういやフォワードの竜の卵でモノポールエンジンかなんか出てきてたな、あれどうやってエネルギー取り出してたっけ、と検索してみたら振動によって陽子崩壊がどうのこうのとむつかしいこと書いてあった。高校生には手に余りそうだあ。