ニンジャスレイヤー

●「ニンジャスレイヤー」読了。評判を聞いてネット連載を読んだ経験はあるものの、ついったで物語を追うのにどうも不便を感じてそのままになっていたので、今回の書籍化は割と渡りに船。これで慣れて勢いついたら改めてネットで追っかけようかな、っちう思惑も含めての購入である。アメリカの小説の翻訳権を得て日本で公開するというギミック…もとい、日本で公開されたサイバーパンク小説、である。

さて物語はタイトルそのまま、ニンジャについてのお話。時は我々の世界とはちょいと異なる歴史を辿ったらしき近未来、所はネットとドラッグ、悪徳と退廃の渦巻くメガロポリス・ネオサイタマ。摩天楼の裏を暗躍する超越的存在「ニンジャ」と、そのニンジャを全て殲滅せんとする赤黒い影「ニンジャスレイヤー」との戦いが今、始まる。ニンジャみな殺すべし、慈悲は無い。…というね。

まァ見たまんま、ほとんど出オチの一発ネタに近いイロモノストーリィである。しかしこれが面白い。140字ひとかたまりという連載形式の都合上、あまり凝った設定やギミックは仕込みづらいのだが、そこはサイバーパンクやニンジャなど既存のベタネタ資産を拝借することでクリア。上記の翻訳小説のフリ…もとい、翻訳文体の雰囲気を活かしたケッタイな単語選択センスでスパイスもバッチリ。うーん、これはなかなかパンチの効いたジャンクフードだ。案外(と言っては失礼だが)物語もバラエティに富んでおり飽きさせない。

何よりもまず、登場するニンジャよね。次から次へと出てくる異形の姿、両手を蛇に変えたバイオニンジャだの苦痛を受けると回復するハリネズミマゾニンジャだの、このビックリ人間大集合ぶりがタマラン。能力バトルモノというよりは仮面ライダーの怪人とか、ソッチの雰囲気が感じられるなあ。

てなワケで、あっという間に読み終わって楽しめた。よしこれで敷居も下がったし、ネット連載のほうに移行するかな、と思う程度には気に入りました。とりあえずニンジャスレイヤーのリーダーアプリを落としてみよう。