中二病/ガルパン/新世界より

中二病でも恋がしたい!・5話。数学でアカテン取りそうなリッカちゃんは巡り巡って同好会存続の危機である。かなり切羽詰った状況なのに、いっちいち中二病方向へと思考と行動が逸れてってしまうリッカちゃんはバカ…というより、自分の作ったキャラに縛られちゃってるというか。そらまあワキで見てるユータさんもツッコミの休まる隙が無いってなもんだ。あれやこれやと手を尽くして勉強させようと腐心する甲斐甲斐しさはもうリッカちゃんの旦那さんですな。…勉強の「ご褒美」としての中二病的ネーミングの名乗り上げは、流石福山さん。似合うねえ。

てなワケで、基本的には緊急事態においてキャラがぶれぶれになってるリッカちゃんを賞玩する回ですか。追い詰められて「判んないんだよう!」と頭抱えてるとことか、普段のキャラ作りとの落差があってかわいい。他にもほのかにモリサマー氏への嫉妬未満みたいな行動見せてたり、過去のぼっちエピソードをとつとつよ話したり、今回はリッカちゃんかなり多面的でしたね。

にしても、凸守さんはアレで成績優秀なお人なのな。師匠であるリッカちゃんと自分の成績を比較して「ヤベ」と感づき、慌ててフォローに入るデコさんがなんかおもろかった。何だかんだでそういう所は流石に気付くのね。あとはまあ、実に普通に馴染みつつ乱暴しているモリサマさんの姿もほのぼの(?)としててよし。プール清掃(という名目の視聴者サーヴィス)にキッチリ付き合ってくれるしねえ。

ガールズ&パンツァー・4話。エゲレス娘どもとの親善試合。1話アバンにそのままつながるようなので「ああキューポラから顔出したミホさんが後方からの砲撃によって死んじゃう死んじゃう」と思ったけど、一応車内に戻ってくれたので良かったです。…積極的にキューポラから頭を出すミホさん/西住流戦車道はカリウス的だと言えるだろうか(言えません)。まあ慎重に慎重を重ねた上の実戦ノウハウと、戦車道におけるそれはまた違いそうな気もするけどね。

てことで前半分丸々使っての戦車戦、後ろ半分でハナさんのおうちの事情と公式戦のエントリ話。もう何だ、戦車バトル以外の話は必要最小限でチャッチャとカタすよー! という意図がよう判る展開である。しかし諸々の描写をぎゅう詰めに詰め込むのではなく、重要度の薄い箇所を大胆に省略するという手法なので、視聴しててせせっこましいなという感じはあまりしない。あの短時間で華道家元っぽいハナさんちのドラマをキッチリ描写しきった、ってのはさすがの技量。ついでにお母ん初登場のシーン近辺の、ちくちくとよく動く作画も良かった。…しかしよよと泣き崩れるお母んとかお嬢様おつきの車夫とか、明治時代やなこれ。

さて問題の戦車バトルも当然、なかなかの見ごたえである。これで親善試合、前哨戦だからねえ。本戦でどんな話になるかの期待が持てることだ。造成地みたいな荒地からいきなり市街戦へ移行するインパクトがすげえよ。うはあアリなんだ普通に、ってビビるよね。案の定戦車に突っ込まれて民家が大破したりすんのだが、家主が「これで建替えができるぞ縁起がいいや」とか喜んでるの見たらまあ、それでエエんだろうな。だんじりみたいなもんか。

んでもって市街の地の利(!)を活かしてのバトル要素。三突がちゃんと待ち伏せして勝ち星挙げつつも、ノボリのせいでキッチリ負けてたのに笑う。やっぱあれは「そういうお約束」的な要素じゃないんだ。そらそうだよな、まあ。「レオパルド21」だの「ユンカース黄帝液」だの逆さ福の看板だの、市街のそこここに仕込まれた戦車っぽい小ネタも楽しい。言われてみれば「マーケットガーデン」ってショッピングセンターの名前っぽいよなあ。あと広報のモノクルさんはやっぱしトリガーハッピーさんでしたか。ダメな子やよし!

新世界より・5話。バケネズミ来襲により散り散りとなるご一統。サキさんは足を痛めつつもサトルさんと合流、そこで地元のバケネズミ・スクィーラの助けもあって何とか窮地を逃れる。そっからしばらくはバケネズミの地下世界行の一幕、彼らの困難はまだまだ続く。第一呪力が封印された状態ではどうにもねえ…という話。

後半の地元ネズミの地下コミュニティの描写が、その異質さと暗い雰囲気が相俟ってやたらワシ好みでよろしかった。哺乳類(ひょっとして元人間)なのにシロアリ的な巨大体躯の女王とか、何かもうたまらんね。できればもうちょっと市井の一般民衆の生活なども見てみたかったが、どうやらそうそうノンビリともできひんみたいだな(お話的にも放映スケジュール的にも)。残念。

全体を覆う不安な話の流れの中で、代償行為のように身体的接触を求めちゃうお二人さんのシーンが濃厚にえろっちい。「ボノボ型の接触社会」が云々という先週の学術的解説が、何故か逆に淫靡な雰囲気をかもし出してんな。普通なら単に吊り橋効果とかサーヴィス濡れ場とかに過ぎない描写なんだけど、あの解説があるおかげで「自分たちもそういう風にデザインされたのではないか」ってな心理的挟雑物があったりして、そんな複雑なアレコレが…うん、心乱されるやろねえ。

今回はまた演出も作画も独特な雰囲気があるなと思ったら、演出山内重保作監羽山淳一のコテコテコンビでした。あー…道理で、って感じのシーンばかりだったなー。情感に訴えかける印象的な演出と作画は非常におもろかったんだけど、作画の演技付けが声優さんの演技と微妙に合ってない感じの箇所がいくつかあった感じ。画面が全部出来上がった状態でアテることができればねえ。毎週放映のアニメでは難しいことだけどな。