ジョジョ/宇宙兄弟

●新番組・ジョジョの奇妙な冒険。言わずと知れた大ヒットマンガのアニメ化である。今まで何度かアニメ化はされてきたけど、地上波TV版はこれが初めてだろうかしら。さて本編内容…はまあ、もうガッツリ存じ上げているので特にどうこうはない。結構駆け足気味で余韻や余裕に乏しいなとは思ったけれど、原作でもこの辺は結構辛気臭いのでパッパと済ませた方が印象いいかもしれない。

それにしても、改めて見直してみると第一部冒頭はかなり正統派の伝記ピカレスク譚だなあ。次代設定といいディテイルといい、凝っている(けれど資料収集の労力に比して少年マンガ的な効力は低そうだ)よね。…いや、ワシ、第一部結構好きなのよ。この辺の時代が好きだからってのもあるけどさ。

アニメとしてのデキは、そうねえ、超絶技巧の作画とか美麗でゴージャスな画面作り、っちう方向ではない感じ。個人的な印象ではアレだ、金沢比呂司がよくキャラデザやってた頃のジャンプ原作アニメの雰囲気があるなあと。彩度の高い色彩設計もその印象が強い。…アバンの事故現場シーンだけはなんかすげえ面白い色使いになってて、おおこんな感じで全編ヤんのか! とワクワクしたら本編では別にそうでもなかったのでちょっとガッカリした、のは正直なところです。

あと荒木作品独特の描き文字はそのまま画面に表示させ、ソレっぽいSEを乗っけるという手法。昔のTV版バットマンみたい、というよりはジョジョ各ゲーム版の手法を継承したと言った方が系列的に妥当かしらね。てことで、えー…原作が好きなのでしばらく様子を見てみます。スジはもう知ってるのであとはそれをどこまで面白くアニメ化できるか、ってとこだよなあ。さて。

宇宙兄弟・27話。前半はNASAにおけるフェイク面接試験の後編、あるいはアズマ飛行士についての話。やはりこの無愛想おっさんは単に無愛想な表面を有しているだけで、別にコールドハートなワケではないっちうこっちゃね。それを表現するエピソード、「宇宙から地球はどう見えるか」と訊かれて応えるシーケンスがなかなか上手い。アズマの技量、内面、ブライアンから受け取った質問について過不足なくまとまっててよろしい。…その「死ぬ覚悟があるか」という質問はムッタに受け継がれてゆくのだけれど、一旦ミエ張ってカッコいい回答やったあとで「すんませんウソついてました」で撤回するのがムッタさんらしいわなあ。能力高いのに自己評価低い人なのは、こういう「思考的寄り道」をするからでもあるんだろうね。それが長所にもなってるんだけど。

後半はヒビトたちの打ち上げを鑑賞しに向かうご家族たちの話。各人の描写を挟みつつ、メインは謎のDVDをヒビトに託すムッタである。何でしょうね、ラベルどおりのサッカー動画とは思えないので、やっぱUFOでも映っているのだろうか。にしても、ムッタさんのご両親は仲エエな! テンション高いヘンなお母んとテンション低くてでもヘンなお父ん、割れ鍋に綴じ蓋というか何というか。この両親からなら確かに、バラエティのあるお子さんが授かりそうではある。それこそヒビトからムッタまで。あと今回も沢城姉さんは三面六臂の声アテ仕事であるが、中でもアポとセリカさんのご対面があったのは特記しておこう。…まさか同録じゃないよね!?