ラグランジェ/峰不二子/人類は衰退しました

輪廻のラグランジェ season2・3話。ランもムギナミも元の鞘に戻ったものの、まどかさんは相変わらずのノープランなのでノウムンドゥスの田所さんたちが何とかしようとする話。現在のほのぼのした三人の様子と、過去の実験中苦しんでいたランの様子を隣り合わせに語るシナリオがあざといねェ。んでまあ、その「苦しい実験」もてまどかとウォクスを平和利用の足がかりとしようとするのだが、どうにもまどかさんがニブいので上手くいかない。じゃあ彼女の精神的動揺と高揚を狙うためには…そう、えろえろよー!? っちうね。

いやあもう、会長のえろ話で臨界値に達するという流れも酷いし、えろ話のイメージシーンも酷いし(煮えてゆくサザエのつぼ焼き!)、それが結局シャレんならん事態を引き起こすという結果も酷いし…って、そんなヘッポコネタキッカケでシリアスな事象になっても見てる方が困るよ! 輪廻を開くのかなんか知らんけど、そのシリアス危機のシーンも何というか…赫くて黒いしみのような絵面とか、妙に性的な絵面なんだよねえ。最後にはまどかさん、赤い花散らしちゃったりして。卒業ね! 大人になったのね! 知らんけど。

てことで、お話はそれほど進んでないけどしょーもないフックを埋め込んでゆく、という本作の特徴がよく出てた回ではありました。そのフックにいちいち引っかかってるからこそ、この作品が好きなんだろうねえワシ。あとまどかさんの熱血主人公的なバカ気風と対照的に、ドジっ子的なバカであるランちゃんが今回もよし。図と地の錯視画像見て、ツーテンポくらい置いて「…あ!」って気付くとことかかわいくてねえ。

LUPIN the Third 〜峰不二子という女〜・4話。今回の舞台はそのまんまオペラ座であり、そうなると当然怪人が出てくるのである。オペラを題材に伝奇的で陰のあるお話が繰り広げられる…と言うにはちょいとネタがとっ散らかってる雰囲気で、重厚な雰囲気とかそういうのはあまり感じられない。どこか間の抜けた追っかけっこもそうだし、大人の風情ながら肩透かしつつもほのぼのとしたあのオチもそう。…悪くはないが、結構気合入ってそうなあのオペラ音源があまり目立たなかったのはもったいないかな。

冒頭、釈放と引き換えのネタとして不二子と一発ヤっちゃう銭形さんは原作風味やね。人情警部というよりは冷徹で不敵な警察屋。それはいいんだけど、あのオスカーさんは謎のキャラ付けしてありますのんな。あの人って原作に居てたっけ? どこかホモくさいモチベーションも然りながら、不二子を罵るのに豚女だのタンツボだのという単語のセンス、あれは脚本の岡田麿里のものだろうな。

1話以来久々のルパンだけど、改めてクリカンの演技は悪くないなあと思う。何でしょうね、修練や慣れ以上に、年齢を重ねたことによる演技の幅が広がったのが大きいのかな。

人類は衰退しました・4話。妖精さんのマンガ内に囚われてしまった三人は、各地での類似状況の奴らとマンガ人気で競わなくてはならなくなる。自分が演じ、自分で描くリアルマンガ。Yさんによる目先のインパクトと刺激性を重視したシナリオは一時的な人気を博すが、そのうち飽きられ破綻して、テコ入れ空しくランキングを落としてグダってゆくのでした…というまあ、日本のそこここで胃の痛い思いしてる人が出てきそうなお話である。なんかこう、燃えよペンサルまんのエピソードを唐沢なをきで調理したようなお話であることだなあ。まんがかはつぶしがきかぬゆえ、ですか?

上記の通りメタ的なマンガネタとしては先例もある題材なんだけど、これって原作がラノベなんですよね? 文章メディアでこういうネタをやるってのはなかなか凝ったことだなあと思った。判りやすく読者に見せるには結構な文章力が必要とされるんじゃなかろうか。ある程度はアニメ化によって効果的な演出を付与されたとこもあるだろうとは言え、ね。

初っ端から最後まで実に楽しげでノリノリなYの…いや、沢城さんの演技がオカシイ。これ、見てるワシらからすると普通に「囚われた三人」の話なんだけど、アフレコ上は実質中原さんと沢城さんの二人芝居なんだよね。そう考えると舞台劇っぽいストイックさも感じられて素晴らしい…のかどうか、よく判らんが面白かった。あと前回からの引継ぎだけど、あのマンガ絵は沼田誠也によるものなのだな。確かにダイナミックで「マンガ的」な動かし方する人ではあるが、こういう芸風も持ってはったのねえ。