氷菓/もやしもん/夏雪ランデブー

氷菓・12話。文化祭開始である。我らが古典部はちょいと刷り過ぎた文集を持て余しつつ、奉太郎さんは毎度の無気力傾向のままその売り子をし、里志さんは文集販売のフォローを忘れて漫才に笑い、ちたんださんは文集問題を解決しようとしつつ目の前のお祭りについつい引きずられてしまう。そしてマヤカさんは…まあ、その、ちょっと落ち込み中であったりしてね。というお話。

ちょいちょいと伏線は張られている(奉太郎が姉さんに押し付けられた「お守り」の動向とか何故か消えたジュースとか)けれど、顕在的なミステリ要素は少なくて文化祭と各人の反応をメインにお送りする序盤話、ですかね。その中にあってはマヤカさんがいろいろと目を引く状況。上記の文集刷り過ぎは彼女のミスのようで古典部内では肩身狭いし、かけもちの漫研においてもどーもギスギスした雰囲気を感じられるし。部長のナコルルはともかく、他の部員が主にボーカロイドコスプレの中にあってマヤカさん一人「11人いる!」のフロルなのが何というか…うん、そうね。浮いてるよね。これからどんどんギスギスしてゆくんだろうなあ…。

あとは問題解決に奔走すると思わせて寄り道ばっかしてるちたんださんですなあ。いやもう、何かイヴェントがあればつい参加しちゃう注意力散漫ぶりがなんとも小動物かわいいことで。これはふだんの「気になります!」気質と繋がるところがあるんだろうけどね。…にしても、部の冊子200部かあ…。高校生時分でそういうことやっちゃう、想像しただけで割と胃が痛いわね。

ノイタミナ二作はちょっと録画状況悪かったので、アレコレして補完。てことで新番組・もやしもんリターンズ。前シーズンより5年、謎のドラマ化から数えても2年というそこそこ間を置いての登場である。一応各キャラ一通りの顔見世を行って新規さんにもなんとか入ってもらおうという配慮はあるのだが、基本的にはそのまんま続編の体裁であって前説も緩衝部分もあまり無い。ま、そない人間関係が複雑な作品じゃなし、「そういうもの」として見てもらおうっちうこっちゃよね。

さて。前シーズンを精密に覚えているワケではないが、キャラデザインが変更されてちょっと柔らかくなった…ちうか、当たり障りのない雰囲気になったっちう感じ。別に原作に近づいたというワケでもないが、一見さんへのハードルは低くなっただろうか。ふむふむキャストはそのまま続投か、お話もアニメ版のストーリィを引き継いでる形ね…って沖縄編は省略なのか! 二人目蛍さんが出てこないのは残念だが、マリーのフランス編は出てくるのかな。ま、それは先々の楽しみで。 

にしても、これまた相当に薀蓄と説明の多いアニメに仕上がってんな! ワシはその辺「ほうほう」と思って見てて、気付いたら1話終わってたなーってクチだけど、退屈な人には退屈な構成じゃなかっただろうか。原作からそういう説明の多い作品だけど、この後もこの調子でやるのかしらん。

●新番組・夏雪ランデブー。詳細は知らず、マンガ原作ですか。目つき悪くてちとブッキラ口調だが別にアカン性格でもないお兄さんと、お花屋さんの主人の三十路姉さんのラブ話…かと思いきや、どうやらお姉さんの死んだ旦那が幽霊として出てくるヨ! っちうノリの作品でした。全体的に演出のふり幅が大人しく、じわーっと進んでゆくタイプなので見ててストレスは少ない。ただ、このまま平坦な方向に進んでいくと退屈になっちゃいそうだけどな。その辺、もうちょっと見てから判断しようか。

にしても、主人公の亮介さんは1話終盤の段階でちゃんと告白にまで至ってんのは好印象、っちうかちと意外だった。てっきり好きの嫌いのの間をノラクラとして引っ張ってゆくような形式だと思ってたので。ふむ、てことは、今後はあの幽霊旦那が邪魔をするっちう形になるんでしょうかね。死んだ理由や幽霊として留まっている理由など、もっといろんな仕掛けがありそうなので、その辺も気にしておこう。

にしても…ヒロインのロッカさんですよね。三十路のベリショのデコの声が大原さやか、ってまた、アニメ作品としてはノイタミナじゃなきゃやらんやろなという属性のキャラであり、うーんとてもよい。原作掲載紙の読者層を鑑みてっていう理由もあるんだろうけど、単純にワシ好み。あと義理の姉さんが冬馬由美ってのもよい。ちうか大原さやか冬馬由美ってもやしもんから引き続きなのな。別にそれが何だってんじゃないっすけど。うん。