難題を華麗に解決するワシのこと

●最近は業務の変化により大概帰りが遅くなる。夕飯を作るのも面倒なのでチェーンの弁当屋で海苔弁を買って茶を濁す。もう少し家路を進んだところに百均コンビニがあり、ちと思い立って買い物をする。スマホ用の保護シートと冷凍野菜と翌朝喰うための抹茶蒸しパン。荷物をまとめた方がいいだろうと思い、レジのお嬢さんに「すんませんが少し大きめの袋を願えますか」と伝える。よし、これで弁当も一緒に入れて一元管理しよう。

店を出たところで気付く。冷凍野菜とホカ弁、これはいかん。相容れない。同じ袋に入れればその大きな温度勾配により両者は速やかに熱交換を行い、双方にとって良からぬ自体となりかねん。かといって今更別々の袋で持ち帰るという効率の悪い所業はもってのほかであろう。さあ参った。ワシはどうすればいい?

正解。まず最初に冷凍野菜を袋に入れ、その上に抹茶蒸しパンを置いた更にその上に弁当を置くこと。…蒸しパンというものは多量の空気を内包している素材であり、その強力な断熱効果をもって両極端の温度を持つ二つのオブジェクトを乖離させ、熱伝導を極限まで抑えておくことが可能となる。さらに温度の低いものを下に、高いものを上に配置することで伝導だけでなく対流による熱交換も防止する。これだ。これが正解だ。何とスマートな回答であろう。これにはマクガイバーも平賀=キートンも顔色なからしめること間違いなしである。

●案の定、ウチに帰ってきて袋を見たらさっぱりワヤであった。弁当と冷凍野菜はピッタリ密着、蒸しパンは荷物の一番上にちょこんと乗っかっている状態。そらまあね、蒸しパン一番比重が小さいもんね。歩いてる振動によって上に来るよね。ま、一時にでも意気揚々とエエ気分になれたので、そんな些細なことはエエです。うん。エエですよ。