Fate/宇宙海賊/宇宙兄弟

Fate/Zero・23話。相手の挑発にあえて乗っかって、各々で戦いの地に馳せ参じるセイバーとライダー。一応全体の流れとしての主人公、メインストーリィはセイバーなんだけど…まァ、今回にあってはライダー/アーチャーの激突…さらに言うならイスカンダルとウェイバーの物語が主題ではありますわな。他の英雄とは比べ物にならぬ戦力を持つライダーを、その空間ごと破壊しつくすことであっけなく蹴散らすアーチャー。絶対の強さを持つアーチャーに対し、引かず臆せず真っ直ぐに挑んでゆくライダーの姿にウェイバーさんは何を見る。「忠道大義である」という、アーチャーとしては最高級に近い賛辞を送られるまでの一連の流れは、桁外れの強さを持つ二人の英雄を巡るドラマとして見ごたえのある重量感があった。…異世界の顕現とその崩壊にまで広がるでっかい話を、ウェイバーさんの心と情感という小さく局所的な要素でシメる構成が小憎そい。

さて一方のセイバー組であるが…ああ、何だかんだと突っかかってきたバーサーカーさんの正体はランスロット卿でしたか。そらまあ因縁深いわなあ。どっちかっつーと女と主との間でうろうろと迷ってたのはランスロットのおっさんの方なんだけど、その心のゆらぎをバーサーカーとして具現化させられちゃったってとこでしょうな。ここでセイバーの心のうちに「救いはすれど導けなかった者」という言葉が去来するってのも悲しいことだ。…うーむ、どうしてもこのセイバーさんのキャラには弱さが付きまとうな。だからこそメインキャラになっている、っちうことでもあるのだが。

てことで、質的にも量的にも今回はライダーが主役のお話でした。最期の花道だしそれくらいいいよね、ってことで。あとあの、アーチャー/ギルガメシュさんが「ただ一人の盟友」ちうてんのはエンキドゥのことだろうな。ひょっとして彼もまたそのうち、出てきたりするのだろうか。

●おや二階建てか。てことでFate/Zero・24話。前半はキリツグVSキレイとセイバーVSバーサーカーの二試合をカットバックで。前回に引き続きここでもセイバーの方はあまり重点を置かれない、というかその裏のキリツグさんたちのバトルの方が重量感ありすぎるんだよね。スで強大な戦闘力を持つキレイさんと、対照的に戦術やら仕掛けやらで勝ちをもぎ取りにゆくキリツグさんのバトル…そらまあ、苦戦防戦しつつ危ないところで切り抜けるキリツグさんのバトルは魅力的にならざるを得ないってなもんだ。全体として力の入った作画状況だけど、特に「バレットタイムをアニメ作画でやる」という、いろんな意味でバカチン極まりないアクションに笑ってしまった。いやホンマ、ようやるわ!

さて。そこまでして勝利したどり着いた聖杯であるが、その本性はどうにもキリツグさんにとって許せないものであったワケで。「願望を具現化するだけなので具体的な願望が無いとムチャやっちゃうよ? 平和のために大量殺戮進めちゃうよ?」ってので合ってますかね? 途中チラッとテメエのこと「アンラ・マンユ、この世全ての悪」ちうてましたけど…そんな真っ黒けっけの存在が何でまた聖杯なんかを営んどんのか。…それに巻き込まれる形でアイリさんは二度死んだワケですが(まああとの一回はガワだけだが)、前回のキレイさんと全く同じ「首をへし折られる」っちう死に方となったのは皮肉か運命か。なんかシンボリズムとかありますんですかね。

ラスト、セイバーとキリツグの運命は再び同道となるのだが…「聖杯を破壊せよ」っちうのが最後の令呪ってのがまた最大限の運命的サディズムではあるなあ。上手いこと絶望を持ってくるものだ、っちうか。そーねーこのバトルねー、誰一人の得にならないことになりそーねー。

モーレツ宇宙海賊・23話。海賊狩りの戦艦名はグランドクロス号、それを追ってきた謎のマスクマンは銀河帝国海賊・鉄の髭率いるパラベラム号。どうやらここ、海明星とはレベルの違う、上位クラスタからお越しの方々らしい。とまあ相手の正体が判ったからって事態が解決するワケでもない。免状持ちの海賊たちの召集をしてパワー増大を狙うんじゃい、ってとこで召集に必要な人物は何故か「伝説の料理人」であり…っちうね。しかしまあ、個性溢れる海賊どもが寄り集まっても素直に一致団結するとは思いにくいけれども。何か一つ、意見を一つにするハッタリでもブチ上げないとねえ。あるいはカリスマ的な人物をてっぺんに頂く、とかか。

当面の敵であるグランドクロス号の目的はある程度判ったが、鉄の髭のおっさんについてはまだよう判らんよね。さしあたっては効果音つきで宇宙戦闘するような自己顕示欲の旺盛な人、ってのは判りました。海賊としては必要な資質かもしれない。あと今回は、海賊としては経験の浅いマリカ船長のサポート役としてのチアキちゃんが画面出ずっぱりでよろしかった。やっぱしあの(パッと見ィだけは)クールなお嬢さんが居てくれると画面が締まるし、あるいは緩む。今回も乾杯にほだされちゃったりして、ここぞってトコで弱いなチアキちゃん。よし。

宇宙兄弟・12話。あれ、現在時間を知っている理由って腕に嵌めてるモノと違ったのか! これはワシが勝手にアレコレ言うたのが間違いでした。すんませんねえムッタさん、名誉毀損しちまって。えー、時刻判別のウソ理由を述べつつ「ホンマは運転席の時計をチラ見してたから」という、自身でも運じゃねーかと反省してるネタで落としているムッタさんなのだが…まあねえ。ナスダさんの言う「小さなことに気付けた人」という観点からするならば、運転手のヅラを気にしてたからということも含めて結果オーライではあろう。にしても「前職の関係上エンジン回転数で速度が判る」とか、ムダにリアルなウソつきやがって…。才能あるよムッタさん。

さて、閉鎖環境試験はスタートする。「合格者として誰を選出するか」という課題に対し、各班それぞれのアプローチの差異が面白い。点数制と投票制という他班に対し、まあもうちょっと様子見てみようやっちうムッタさんとこは何かのんびりしててよろしいけれど、さてね。二週間でどこまでギスギスしてくるか、っちうとこですかね。あとやっぱ、セリカさんの結構な燃費の悪さは宇宙飛行士としてかなり致命的なんじゃねーかと思ったりする。当然、その辺りもスルーはせえへんやろなあ。

後半のシメであるセリカさんの名前話はちょっとパンチ力弱かったかな、っちう気がせんでもない。まあこれはムッタさんが彼女の名を呼びはじめるイヴェント要素の方が強いだろうし、構わんか。