●氷菓・6話。授業中何故かオコったちたんださんは、そこで本当は何がオコりそれに自分が何故オコったかを知りたいと思って奉太郎に私気になります! っちうお話。あいっかわらずめんどくさいお人だな! これであの外見でなかったら「そういう性癖のある意味愉快な友人」で済むのに、なまじ器量よしなもんだから俄然主人公振り回しヒロイン属性が付与されてしまう。ま、奉太郎さんも楽しそうなのでよし。…何かこう、そのうち先週の話みたいに後味悪いことにもなりそうな気はしますけどね。
てことで今回は「厳格な教師は何故怒ったか」が表のメイン要素、「ちたんださんは何故怒ったか」が裏。裏の要素は今後へのテーマにちょいと関わってきそうな彼女の内面話の一端ですね。んでもって表の要素だが、かなり純度の高い安楽椅子探偵話でワシ的にはよし。何よりミステリのネタが実に下らない、解決してもしなくてもどうでもいい程度の事件なのが好ましい。前にも言うたけど、「黒後家蜘蛛の会」のような純粋な知的遊戯ネタへの傾倒が感じられるんですわな。向こうが上流社会の社交クラブで、こっちは学生の文化クラブっちうのが違いですけどね。
上でも言うたがやっぱしちたんださんはめんどくさい、っちうか近い近いよちたんださん! あなたのパーソナルスペースは何センチに設定されているのか。あと奉太郎の「大量のミニちたんださんに迫られる」っちうイメージは単純に怖かったよ。セントラルドグマの綾波ーズを思い出しました。
●坂道のアポロン・7話。潮干狩りのドタバタ愁嘆場の後、どうもギクシャクする三人。周囲の状況もあってなんとかりっちゃんとは少し近づけた薫ボンであるが、千太郎さんとは未だどうにも通常モードに戻らない。そんな中文化祭はスタート、一連のごたごたの原因であるコンサートを見るボンの心境やいかに。っちうね。
クライマックスのギミックである、ボンと千太郎のセッション。制作側も「このシーケンスがここ数話の最重要ポイントである」と認識してるのがよう判る、素晴らしく気合の入った演奏シーンになっていた。作画も演出も脚本も、熱に浮かされたようなパワーに溢れている。
…「劇中にて素晴らしいと設定されているアート」を実際にアニメなりドラマなりで表現するのはかなりハードルの高いもので、今まで結構な失敗例(登場人物は「すごい絵だ」つってるけどワシらが見た感じ別にそれほどでもないなあ、とか)を経験してきただけに、なおさら感心が深まることだ。案外、原作のマンガよりも説得力のあるシーケンスになってたんじゃないだろうか。いやマンガの方を見てないので断言はでけへんけれども。
とまあそんな真打ち演奏の対照として置かれていた仲間内バンド、このイカニモなGSぶりも時代がかってて良かったっすよ。実際にキャアキャア言われるだろうなって気もするし。あと、ボンと千太郎のセッションを観にいこうぜ! と学生たちが誘い合ってるシーン、これがどーしたんだってくらいのリアルな動き作画になってて一瞬度肝抜かれた。浮いてる、浮いてるよ! あれは誰の作画だったのだろう。…Bahi JDさんって方の絵? うーん、好みだなあ!
●つり球・7話。先週なんや知らん大変気味なことになってたのであるが、とりあえずはあまり気にせず日々を過ごしている皆さんである。ユキさんは釣りを通して他者との交流を深め、ナツキさんはユキさんに教授することを楽しみ、ウラに事情を持つアキラさんもなんやかんやで仲間に入ってみたりしている。一方のハルさんはどうか。彼は何を隠し、何を恐れ、そして何ゆえ釣りをしないのか?
というまあ、宇宙人だの秘密組織だのという大きな問題の一方で、ナツキさんちの家族というローカルな問題も頭をもたげてくるワケで。誕生釣り大会の船上で、ちょっとしたいさかいや行き違いが上手いこと…もといまずいこと積み重なってって最終的に全て台無しになってしまう、あの残念さ。程度の差こそあれ、視聴者みんなどっかで経験のあることですよな。あの「何故こんなことに…」という取り返しのつかない感覚、よねえ。
話の後半、姿が見えなくなったサクラちゃんを探しにゆくという状況の背後で隊列組んでいる不穏な釣り船。ただただ踊り狂う釣り人の姿はなかなかコワく、来週は上記の大きな問題と小さな問題が交差することになりそうですな。…ハルさんはどこまで、どのように関わっているのやら。さて。