アクエリオン/ZETMAN/ちはやふる

アクエリオンEVOL・14話。ジンさんによって各人の「死」について再認識させられる場面。ある者は学園を去り、またある者は自らの存在を消そうとし、あるいは…。とまあそんな中、ジンくんの葬式の最中に「お前らいっぺん墓穴掘ってその中に埋まれや」と突拍子もないことを言い出す不動のおっさんでドヤ、っちうお話。


今回の不動司令、矢鱈と漢字を操ったりワケの判らん理論で皆を導いたり、と何となく前作の不動GENさんを思い起こさせるなーと思ってたが…。死と再生という割とありふれたテーマを、エコシステム中の分解者やスカベンジャー辺りから説き起こし、登場人物が暴走気味に先走って見てるこっちが振り落とされそうになるまで勢いづける(ハッピーバースデイってアアタ、映画の悪魔男ですかいな)という、どっちかっつーとこりゃアルジュナのノリに近いな。この自己啓発セミナーもどきシーケンスを生かしてロボバトルにもってったら無印アクエリっぽいとこだった、でしょうか。よう判らんが。


かなりイっちゃってる話運びの中、モロイさんの体がモロくなったりサザンカさんが腐ったり、とそういう方面でのウケは外さないシナリオ方針は割と好き。あとまあ、擬似的に一回死んで再生するっちうイニシエーション行動はそこそこ普遍的に世界の風俗にみられることではあるよね。まさかに墓が光ったり繭に包まれて再出現したりはしないだろうけどさ。


●新番組・ZETMAN。連載中のマンガをチラ見したことある程度の知識。どうやら変身ヒーロー…ダークヒーローか? モノであるようだが、さて。謎の組織から持ち出された秘密の子、乱暴ながら無垢な少年となった後に育ての親たる老人と死に別れ、そして目覚める新たな力…とまあ、この手のアニメの語り起こしとしては過不足のない構成。ヤな言い方をするならば、突出したところに乏しくマンネリを感じさせるってな雰囲気でもある。ちょいと語り急いでいる雰囲気もあるのだが、まァこれはテンポが良いと好意的にみることもできようか。


つーか、ワシが目を引かれたのはお話の構成や脚本というメインディッシュ以外のところではあるんだよな。まずは作画。全体的にそれほど統一の取れたクォリティとはちょっと言い難いのだが、所々でやたらと気持ちのいい絵があって割とビビる。冒頭のチンピラバトルのあのガチャ絵加減もエエし、後半のカメレオン男とのアクションのシャープで素早い作画もよし。チンピラシーン直後のお坊ちゃんお嬢ちゃんとの会話シーンもなんかエエ芝居してたなあ。…キャラデザと総作監に高谷浩利、あと森久司とか阿部望とか。森さんが前半のアレで阿部さんが後半のソレかしらね。まいいや。


あとキャスティング。全体的にものすごく手堅い演技する人を集めているという雰囲気であり、それもともかくヴェテラン連中の豪華さはどうしたものか。千田光男の育ての親に菅生隆之のコワモテ刑事に、ってな具合ですよ。飯塚昭三のジジイ・広瀬正志の父・久川綾の母、ってそんな恐ろしいご家庭はなかなかヤではあるよな! うんヤだ!


てことで、うーん。第1話はそこそこ楽しんだのだが、その楽しんだ箇所ってのが今後も大いに期待できるかってェとちょっと微妙なとこなんだよなあ。ちょっと様子見、ってとこでしょうか。


ちはやふる・13話。さあ近江神宮にてのかるた本選開始、緒戦はいかに。本選開始前のドラマ、当代カルタクィーンの登場、プレッシャー、そして千早さんのダウン…という彼ら部員たちのドラマと並立して描かれるのは新さんの物語、っちう構成。この日本のスレッドはしばらく並行した後、最後にちょいと絡み合ってまた離れてゆく。新さんが本格的に再登場するのはまた先のこと、ですかね。


てことで、どっちかっつーと新さん側のドラマの方が印象深かった感じのお話。今まで断片的にしか語られてなかった、彼と彼の祖父の物語は…うーん、こりゃ確かに重い重いわなあ。時間にして10分も無いシーンだろうが、新さんの祖父への思いとその挫折は充分に表現されている。そら沈み込みもするし、そっから浮かび上がるには千早さんのようなムチャキャラによるインパクトしかないだろうかとも思う。これから新さんは、再び前へと進んでいけるだろうか。さて。


んで緒戦で倒れちゃった千早さんですが…あー、団体戦はこれで終わっちゃったのか。個人戦に焦点を当てることを視野に入れると、団体戦の話はこの程度の触れ方で済ませておく方がよろしいかもね。まあね。