アクエリオン/ラグランジェ/ちはやふる

アクエリオンEVOL・10話。早速やってくる敵の斥候・ジンさんであるが、案の定コッチ世界のさまざまな…まあ、主にユノハさんに興味釘付けとなってしまうのである、っちうお話。前作と比べて敵と味方、彼我のキャラクタ性にあんまり差がないってのは判っていたが…いやはや、ジンさんときたらホンマ、単に女性に免疫のないイケメンオタさんそのものではありませんかいな。んでもって孤立気味な彼と波長が合ってしまうのがユノハさんであるけれども…。


てことで、これはジンさんがこちらの陣営に定着する流れなのかな。あるいはその後、向こうのボスの言うようにユノハさんをかどわかしてしまうフラグも立ちそうではあるのだが。とまれ、なまじ人付き合いが苦手っぽいお二人だけに、バルコニーでの逢引シーン(だか何だか)は結構な純愛プレリュードっぽく見えたりして何やら微笑ましい。カイエン兄さんが純粋に恋の障壁ですな。うむ、そういう役も必要々々。


何でも知ってるっぽい不動司令の言葉によれば、ジンさんのあのバリア的能力は「断ち切る力」ということらしい。それだけ聞けば何だか物騒な響きだけれど、確かに戦闘時には色々と役に立ちそうな力ではある。ミコノさんの力と対照的ではあるな。あと今回もサザンカさんは一人で勝手に無双状態である。新たなお友達を見るなり受けだの責めだの言うんじゃありません。…この人はまた、ユノハさんたちとは別の意味で孤高であることだなあ。


輪廻のラグランジェ・9話。えー、三バカぶらり鴨川途中下車の旅である。ディセルマインやヴィラジュリオの不穏な動向、あるいはまどかとジャージ部と人助けについての解題など、一応メインストーリィを進める要素もあったりはするものの…ねえ。いやー、ねえ。しかしこの三バカどもはおもろいなおい! 初回で三人出てきた時、まさかここまで分化したキャラになるとは思わなかった。うん普通、ロボアニメの敵(っぽい)人の一人がメイド装束の男の娘で定着するとは思わない。うん。


今回はロボさんが出てきたのはほん一瞬だけ、あとはのどかな鴨川風景とバカ三人と地域の人々とのスナップショットでご一席、である。すっかりメイド調教されちゃってるアレイさん、リーダー格に見えて実は一番天然ボケの入ってるキリウスさんと比べると、幾分かはまともな行動力のありそうなイゾ兄さんであるが…まあ、直情型キャラってのは畢竟人情には弱いしね。一旦まどかさんについて知ってしまったら、そら戦いにくくもありましょうて。


おもしれーんだけどこれ、ホンマにこんなペースでいいのかしら、とは思います。ロボの活躍しないロボアニメっちう言葉だけだと何やら押井的ではありますな。全然違うけど。…って、どうも来週予告見てもあんましロボアニメっぽくないんスけど…。ワシは面白ければそれでオッケーです。そして今んとこ、その希望はかなり満足している状態。まる。


ちはやふる・9話。5人揃ってかるた部員! てことでやっとこさ公式の部活動として機能し始めたかるた部であるが、千早さんの指導方針の意外なスパールター! 加減に新参者がビビッてしまうお話である。彼女はかなちゃんや机くんの個人差が視野に入っておらず、ただただ自分のペースで進んでしまう…そうね、そういや確かに、千早さんってば決して人情のない人ではないものの、自分と他者の関係性についてイマイチ鈍いところがあるのでした。それ故の残念美人というレッテルだしねえ。


とまあメインストーリィはそういう話なんだけど、お話として一番のキモは最後の部分。問題が解消して後のサプライズお誕生日パーティ、その直後に太一さんのケータイに一通のメールが入ってきてからの一連のシーンは本当に重層的かつ濃厚で、参った。部員仲間を見出したというベース要素の上にに新さんという要素を置き、太一と千早それぞれの感情を(交錯させず)併置して置く…という主構造もともかく、そこに「千早が持ってきていたケーキを太一が食べる」というシーンを挿入できる感性たるや、ねえ。原作の流れそのまんまなのだろうけど、こういうセンスはホンマ少女マンガの財産やなあ、と部外者のワシは思ったりする。


絵コンテに川尻善昭。そういやこのおっさんマッドハウスのフラッグシップだったっけ。どっちかっつーと映画やOVAメインの重鎮ってイメージの人だけど、こういうTVの仕事もやったはんのだなあ。検索したらここしばらく、結構TVの仕事もしてはんのね。ちょっと嬉しいことではある。