偽物語/宇宙海賊

偽物語・7話。カレンちゃんの病について、また貝木さんとの因縁についての始末の巻。一応は各々に対して一段落の様相を見せてはいるものの、前半のカレンちゃんVSアララギさんのバトルについては(アクションの凄まじい濃厚さはあるものの)物語上の必然性はきわめて薄いし、また後半の貝木さんとの決着シーケンスに至ってはただお互い喋りあった後に貝木さんが去って行くのみ。とまあ、別々なレベルで肩透かしな幕引きである。


しかしその、これは一般的な感想からは外れるかもしれないが、ワシ個人としては両者共に結構満足して視聴を終えてしまった。前半のバトルは上記の通り素晴らしくエエ動きと破壊の快楽が満載で、この作品のカラーとしてはちょっと外してるくらいに動きの輪郭を取った原画とかあってかなり眼福。カレンちゃんの走りや走りの予備動作とか、力の抜けた手の振りと重心移動が気持ちよくて何度か見返してしまった。


そして後半のダラダラと続く問答シーン。とにかく貝木さんの煮ても焼いても喰えない曲者詐欺師っぷりが強烈で、結果だけ見れば折角のアガリをチャラにされて逃げ去ってっただけなのに、こっちの心に残ったのは「無傷のまま不敵に勝ち逃げしていった」という印象だけ…というねえ。自分が偽物であることに真正面から肯定的な男、それは悪役なのか悪人なのか。ともあれキッチリとキャラの立った存在であることに間違いはなく、続きがあれば今後もチラホラ登場するのではないかなという雰囲気がまたよし。


てことで、えー…お話が区切りついちゃったけど、次回は何があるんだろ。あるいはまだ事件は終わってないのかしらん。さて。


モーレツ宇宙海賊・7話。マリカさんは学校と海賊の二足の草鞋に苦労しつつ、なんとかやっていこうとしている。今日も今日とて海賊の「営業」が行われるのだが、何やらちょいとイレギュラーが発生するなあと思いつつ終わってみればテメエの船に密航者がやってきてしまう、のである。海賊船が密航者を許すとはナンタルチア、この招かれざる客の正体やいかに…って、予告見たらどうもどこぞのお姫様のようで。


相変わらず艦隊戦のシーケンスは直截的なドンパチ描写は少なめで、電子戦とモニタ上の読み合いがメインの地味なもの。更に今回はその戦闘自体に何やら裏がありそうな描写が散在してたので、余計にスパッとしない感じに仕上がっている。それでもマリカさんの(まだちょいと危なっかしいが)ハキハキとして爽やかな戦闘指揮ぶりや、クルーのイージーゴーイングなプロぶりは見てて楽しい。…ま、今回はあっさりお子さんに裏をかかれてしまったんですけども。


そうねえ、登場人物が老いも若きも皆さん落ち着いてんのが見てて気持ちよい原因の一つだろうな。これは原作者の資質なのだろうか。今んとこ敵らしい敵も見えず(登場しても詳細に描写される前に退場してしまう)、何だかんだでのんびりした雰囲気なのは良し悪しかしら。まァこのままでもワシは構いませんけどね。とりあえずは密航者の紹介を待つとするか。